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2011年7月 9日 (土)

音月桂 主演/宝塚雪組「ハウ・トゥー・サクシード - 努力しないで出世する方法 -」

梅田芸術劇場へ。

How1

「ハウ・トゥー・サクシード」は1996年に宝塚花組で上演されたブロードウェイ・ミュージカル。その時の主な出演者は真矢みき、純名里沙、愛華みれ らだった。

僕が初めて宝塚の舞台を観たのが1998年の宙組「エリザベート」なので当然、花組公演は観ていない。しかし市販されているビデオで愉しんだ。

How2

作詞・作曲のフランク・レッサーはミュージカル「ガイズ&ドールズ(野郎どもと女たち)」で有名だが、僕は断然「ハウ・トゥー・サクシード」派だ。今回、雪組公演を観て「嗚呼、僕はこのミュージカルが大好きだ!!」と世界に向かって叫びたい衝動に駆られた。

まず曲がいい。"How To Succeed" "Coffee Break" "The Company Way"など聴いていてウキウキする。サクセス・ストーリーも実に愉快だ。コメディとして笑わせながらも、しっかりとカンパニーという組織の仕組みが描かれており、現代でも十分通用する。ブロードウェイ初演は1961年。マイケル・J・フォックス主演の映画「摩天楼はバラ色に」(The Secret of my Success,1987)とプロットが似ている。

現在、ブロードウェイで再演されており、主人公の窓ふき青年フィンチを映画「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが演じている。先日トニー賞授賞式でそのパフォーマンスを観たが、断然宝塚版のほうがいい(ラドクリフ、背が低すぎ!見栄えがしない)。

そのフィンチを音月桂が爽やかに好演。彼女は歌唱力があるから安心して聴ける。秘書のローズマリーの舞羽美海(まいはねみみ)はダンスは上手いのだけれど、歌が……。痩せっぽちの容姿も好きになれない。どうしても花組の(可憐な)純名里沙と比べてしまう。まぁ純名さんは宝塚史上最高のソプラノだったから損だよね。しかし社長の甥、バド役の早霧(さぎり)せいなやローズマリーの友人スミティ役の愛加(まなか)あゆがコメディエンヌとしての魅力を遺憾なく発揮。特にスミティはキュートだった。ブロンド美女ヘディ役の晴華(はるか)みどりはセクシー・ダイナマイトでこれも○。さすが宝塚。どこを向いても美女ばっかりで人材が豊富。

ローズマリーには不満が残ったが(彼女がどうしてトップ娘役になったのか僕には理解できない)、それを吹き飛ばしてくれるくらい他のキャストが魅力的。カラフルな衣装も華やかだし、ミュージカル・コメディはかくあるべしと言える極上の作品である。必見。

それにしてもチラシに「著作権上の理由により、本作品のDVDは発売されません」と書かれているのだが、返す返すも残念である。

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コメント

初めてコメントさせていただきます。

先日NYでハリーポッターのラドクリフ主演の「H2S」を観たところですが、小太りで舞台栄えがしないのは致命的です。
トニー賞を獲った社長役がポイントですが、専科のベテラン・汝鳥 伶は如何でしたか?

投稿: broadway05 | 2011年7月13日 (水) 11時23分

先月NYで「H2S」を観ましたが、小太りラドクリフ君はともかくとして、振り付けが面白かったです。
それと社長役が最高!
宝塚の汝鳥伶さんの社長役も巧かっただろうなぁ~

投稿: broadway05 | 2011年7月13日 (水) 11時54分

broadway05さん、コメントありがとうございます。汝鳥伶さんは本当に「社長」に見えました。

ブロードウェイのラドクリフ君は完全に「人寄せパンダ」ですね。ハリー・ポッターという作品の知名度がなければ、彼がキャスティングされることは決してなかったでしょう。

投稿: 雅哉 | 2011年7月17日 (日) 00時40分

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