愛の勝利を ムッソリーニを愛した女
評価:B+
激烈な映画だ。脳天にアイスピックを突き立てられたようなショックを受けた。公式サイトはこちら。
陳腐な邦題は明らかにミス・リーディングと言えるだろう。原題は"Vincere"、「勝つ」という意味だそうだ。つまり「愛」なんてない。
2009年イタリア・フランスの合作。脚本・監督はマルコ・ベロッキオ。
本作で全米批評家協会賞主演女優賞を受賞したジョヴァンナ・メッゾジョルノ、そしてムッソリーニとその息子の二役を演じたフィリッポ・ティーミの演技がとにかく強烈だった。
ムッソリーニのカリスマ性、どうして当時のイタリア人たちが彼に熱狂したか理解出来たし、愛人の個性も物凄い。その執着に狂気すら感じさせた。近年も「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)や「ライフ・イズ・ビューティフル」(1997)などイタリア映画の名作はあったが、どれも比較的おとなしい(優等生的)内容だったような気がする。
ルキノ・ヴィスコンティ、フェデリコ・フェリーニ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ベルナルド・ベルトルッチらが活躍した時代。「濃厚な」味わいのイタリア映画復活に快哉を叫びたい。
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