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2011年6月18日 (土)

神尾真由子 パガニーニ/24の奇想曲

6月16日(木)兵庫県立芸術文化センターへ。

Kami

神尾真由子さんのヴァイオリンでパガニーニ/24のカプリース(全曲)を聴く。

ご存知の通り、神尾さんは2007年チャイコフスキー国際コンクール優勝者。同じ日に大阪のザ・シンフォニーホールでは1990年同コンクールで優勝した諏訪内晶子さんがステージに立っておられたので、関西で揃い踏みとなった。

ちなみに神尾さんの楽器はサントリーより貸与された1727年製ストラディヴァリウス(以前ヨーゼフ・ヨアヒムが使用していたもの)であり、諏訪内さんが所持するのは日本音楽財団より貸与された1714年製ストラディヴァリウス「ドルフィン」。

僕が神尾さんのソロ・リサイタルを聴くのはこれが4回目。さらにコンチェルトを2回聴いている。以前の彼女のイメージは「情熱の赤」だったが、今回は薄いピンクのドレスで登場。最近はしっとり大人びた雰囲気に変わってきた。

チャイコフスキーで優勝した当時に放送されたドキュメンタリー。イヤホンでへヴィメタルを聴きながら、真夜中に自宅のある豊中周辺をジョギングする神尾さんの姿を見て僕は度肝を抜かれた。「体を鍛えるヴァイオリニスト」-なんて娘だろう!彼女のお母さんはインタビューで「昔は自分の(激しい)感情を抑えることが出来ない子でした」と答えている。

しかし現在の神尾さんは「角が取れ、まあるく、柔らかくなった」という印象を受ける。彼女が紡ぐ音楽には馥郁たる香りがある。勿論、昔からの特徴である「迸る情熱」も持ち合わせているが、それをしっかりコントロールする術を身につけた感が強い。

縦横無尽に天翔けるパガニーニ。文句なし。神尾真由子は日々進化していることを実感させる、手ごたえある公演だった。

来年、神尾さんは東京交響楽団と共演し、コルンゴルトとバーバーのヴァイオリン協奏曲に挑むそうだ。是非関西でも聴かせて欲しい!

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