デュメイ音楽監督就任記念/関西フィル定期 「私の人生にとって、最大の挑戦が始まる…」
4月29日(祝)ザ・シンフォニーホールへ。
フランス、パリ生まれの著名なヴァイオリニストで最近では指揮者としても活躍するオーギュスタン・デュメイの関西フィルハーモニー管弦楽団・音楽監督就任記念演奏会。
デュメイと意気投合し、1990年頃よりコンビを組むピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスが当初は出演し、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第4番などを弾く予定だったが、福島原発事故の影響で来日を断念。急遽ピンチヒッターとして児玉 桃さんがピアノを弾くことに。チェリストのパヴェル・ゴムツィアコフは予定通り。なおデュメイとピリスはパリで直接話し、今回の決定を下したという。
- ベートーヴェン/「ロマンス」 第1番
- モーツァルト/ヴァイオリンと管弦楽のための「アダージョ」 K.261
- モーツァルト/交響曲 第29番
- ベートーヴェン/ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための三重協奏曲
- ブラームス/ピアノ三重奏曲 第2番 第2楽章 アンコール
僕はS席7,000円のチケットを購入していたが、代役のため5,000円に値下げされ、会場でキャッシュ・バックを受け取った。
出演者・内容の変更など直前にドタバタしたが、それでも満席。大したものだ。
最初の「ロマンス」と「アダージョ」はデュメイによるヴァイオリン独奏のとろけるような音色に魅了された。洗練された美しさ。エスプリ。
そして関西フィルの奏でる、まろやかな響きにもびっくりした。いつものこのオケと全然違う!「本気」を感じる。ヴァイオリンの名手が指導すると、ここまで弦が豹変するものか・・・。
モーツァルトのシンフォニーではデュメイの指揮がエレガント。見ていて愉しい。音楽に弾力があり、ニュアンスに富む。非凡なセンスがあるなぁ。
プログラム後半のトリプル・コンチェルトは生命力を感じさせる演奏。「これでどうだ!」「こっちも負けないぞ!」というソリスト同士のせめぎ合いがそこにはある。「協奏曲」とはまさに「競争曲」でもあるのだなと納得した。
そして嗚呼、アンコール!このメンツでブラームスのピアノ・トリオ!なんと贅沢な、至福のとき。
デュメイ/関西フィルの動向に、目が離せない。
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