米朝一門チャリティ落語会
4月27日(水)サンケイホール・ブリーゼへ。
東日本大震災を受け、米朝事務所からの申し出により急遽開催されることになった落語会。出演者全員がノーギャラ、必要経費を差し引いた収益が被災地へ義援金として送られる。
プログラムには桂ざこばさんの言葉が印刷されていた。
日本人の強さは団結心と道徳心、そしてどんな逆境にも負けない努力だと思います。微力ですが少しでも被災された方々のお力になれれば
夜の部・18時開演。
- 桂雀五郎/手水廻し
- 桂宗助/狸の賽
- 桂千朝/本能寺
- 桂雀松/マキシム・ド・ゼンザイ(小佐田定雄 作)
- 桂雀三郎/野崎詣り
《仲入り》 - リレー落語「七度狐」(吉弥、よね吉、しん吉、吉坊、佐ん吉、吉の丞)
- 漫才(吉弥、紅雀)
- 珍芸(雀々)
- マジック(ざこば、ちょうば、小鯛)
- お囃子あれこれ(米左、あさ吉、吉の丞、司会=米平)
- チャリティオークション(特別出演:桂米朝)
いつも無表情な雀五郎さん、しばらく見ないうちに味が出てきた。間が良くなった。
宗助さんはマクラで博打にちなんだ小噺二つを披露。歯切れよく、明るく華やか。
雀松さんは、おねぇ言葉のマクラから本編へ。
雀三郎さんは陽気で愉しく。
リレー落語は吉坊さんが赤いバトンを手に登場。これを次々と後続に手渡していくのかな?と見せかけて、実はフェイクだった!まんまと騙された。さすが吉朝一門、油断ならない。吉坊さんの口演中、まずしん吉さんが狐の格好をしてバトンを奪い、去っていく(後半で返却)。佐ん吉・吉の丞コンビは骸骨の服装でガチャガチャと相撲を取る。そして「子連れ狼」の主題歌が流れる中、白装束のよね吉さんが乳母車を押して登場。その中には赤ん坊の格好をした吉弥さん。「俺の出番はこれだけか」と一言。場内爆笑。サゲは百姓が狐の尻尾を引っ張ると、それが抜けて実は大根…ではなく、バトンだったというもの。上手い!この時の楽屋での貴重な写真を吉坊さんが掲載されている→こちら!
吉弥・紅雀の漫才は二人とも眼鏡をかけて登場。吉弥さんは19時半に楽屋入りしたことを問い質されると、「だって(毎日放送)『ちちんぷいぷい』の収録があったから」「そりゃ、あんたは売れてるよ!」と怒り出す紅雀さん。このコンビ、M-1に出演し第1回戦は勝ち進んだが第2回戦で敗退。ゆる~い感じだけれど、落語家の余芸としてはなかなか面白かった。
雀々さんはコート・掃除機・靴べら・耳あてをそれぞれ使っての瞬間芸の数々。「勢いだけです」と。雀々版「地獄八景亡者戯」に採用されている耳あてがやはり秀逸。
マジックは小鯛くんを段ボール箱に封印し、ざこばさんが次々と剣を刺していくというもの。見ていてハラハラした。
お囃子コーナーでは1.石段 2.朝丸→ざこばの出囃子(お手々つないで、猫じゃ猫じゃ、御船) 3.米朝の出囃子(鞨鼓) 4.効果音・ハメモノ(雨、雪、波、風) 5.飲んで騒ぐ(まけない節)
オークションは米朝一門のサイン寄せ書きが5万5千円で落札。ここで桂米朝さんが車椅子で登場され、場内からどよめきの声。人間国宝からの出品は九谷焼の湯呑(文化勲章受賞を記念したもの)+単独のサイン+浴衣(生地)+手ぬぐいのセット。この落札額が8万円!ありがたいご尊顔を拝めて、寿命が七十五日延びた気がした。
昼・夜公演合わせて今回の収益は500万円に上ったという。
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