フルート三変化&ギター/西洋古楽器による小演奏会
南森町にあるギャラリースペース 草片へ。
森本英希(フルート)、亀井貴幸(テオルボ&クラシック・ギター)の演奏を聴く。
- ランベール/宮廷歌謡集より三曲
- C.P.E.バッハ/ソナタ ト長調”ハンブルガー・ソナタ”
- ベートーヴェン(ディアベッリ 編)/”ポプリ”(音楽の花束)
- シューベルト/アルペジオーネ・ソナタ
- カステルヌーヴォ=テデスコ/フルートとギターのためのソナチネ
- イベール/間奏曲 アンコール
森本さんは元・大阪シンフォニカー交響楽団のフルート奏者で、現在はテレマン室内オーケストラのメンバー。
ランベールは18世紀初頭に製作されたフラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)「トーマ・ロット」が使用された。伴奏は17世紀のティオルボ。特に"Vos mépris chaque jour "という歌が気に入った。ピッチはA=415Hz.
C.P.E.バッハは清々しい響き。この時代のフルートはリコーダーに近い、朴訥な音色がする。
ディアベッリでは19世紀初頭の楽器に持ち帰られA=440Hz.に。本来はもっと音程は低いのだがモダン・ピッチのギターに合わせて。これは様々なベートーヴェンの楽曲が花束のように繋ぎ合わされている。具体的には以下の通り。
- 交響曲第4番 冒頭
- ピアノソナタ Op.28
- ヴァイオリン・ソナタ Op.24 ロンド
- 交響曲 第2番 スケルツォ
- ピアノ三重奏Op.1-3 終楽章
- 交響曲第4番 第1楽章 終結部
当時のサロンの雰囲気が偲ばれ、なかなか面白い。
プログラム後半はモダン・フルート。シューベルトは今は滅んでしまった楽器・アルペジオーネのために書かれたもの。一度このオリジナル楽器で聴いてみたいものだ。稀代のメロディーメーカー=シューベルトの世界を堪能。
20世紀の作曲家テデスコはイタリア系ユダヤ人。スペインのギタリスト、セゴビアとの出会いからギター作品を書くようになった。第1楽章では陽光が燦々と降り注ぎ、第2楽章は光と影。色彩感がある。第3楽章はタンゴ!いいねぇ。
アンコールのイベールはエキゾチックで旅愁を感じさせる。彼は海軍士官として地中海を航海し、寄港した際に様々な異国の風物に接した。その体験が音楽に活かされている。
| 固定リンク | 0
「クラシックの悦楽」カテゴリの記事
- 映画「マエストロ:その音楽と愛と」のディープな世界にようこそ!(劇中に演奏されるマーラー「復活」日本語訳付き)(2024.01.17)
- キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィル in 姫路(2023.11.22)
- 原田慶太楼(指揮)/関西フィル:ファジル・サイ「ハーレムの千一夜」と吉松隆の交響曲第3番(2023.07.12)
- 藤岡幸夫(指揮)ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 再び(2023.07.07)
- 山田和樹(指揮)ガラ・コンサート「神戸から未来へ」@神戸文化ホール〜何と演奏中に携帯電話が鳴るハプニング!(2023.06.16)
「古楽の愉しみ」カテゴリの記事
- アリーナ・イブラギモヴァ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル(2022.10.18)
- エマニュエル・パユ(フルート) & バンジャマン・アラール(チェンバロ) デュオ・リサイタル(2021.12.11)
- ミシェル・ブヴァール プロデュース「フランス・オルガン音楽の魅惑」Vol. 1(2021.12.10)
- 決定版!フルートの名曲・名盤 20選(2021.04.06)
- 鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン「ヨハネ受難曲」@いずみホール(2021.03.10)
コメント
突然コメント失礼致しますm(_ _)m古楽器にもご興味がおありのようなのでお知らせです。フランスよりクリストフ・ルセが来月関西に来ます!
東京での演奏はありましたが関西は今回が初めてで、来日キャンセルが続くなか、東日本大震災のチャリティーコンサートを無償でしてくれます!
なかなかない機会だと思いますのでぜひご来場下さい!
6月3日19時開演
茨木クリエイトセンターホール
前売り2500円
当日500円増しです!
質問やわからないことはオワゾリール会にお問い合わせ下さい!
投稿: ハマー | 2011年5月13日 (金) 23時48分