林家正雀、桂九雀/江戸っ子だってねぇ!Vol.4
繁昌亭へ。
- 正雀、九雀、由瓶/ご挨拶
- 桂 福丸/金明竹
- 笑福亭由瓶/千早ふる
- 林家正雀/水神
- 桂 九雀/らくだ
ご挨拶でお江戸からのゲスト・正雀さんは時々来阪し、桂文我さんが主任を務める「猫間川寄席」に出演させてもらっていると。「そうですか!あいつ(文我)は弟弟子ですが、僕は一度も呼んでもらったことがない」と九雀さん。また正雀さんは、計画停電のため東京のエスカレーターは止まっているが、大阪は乗り放題という話も。
福丸くんは一度も詰まることなく、パーフェクトな口演。瞬きの頻度を変えることによる演じ分け、緩急の変化もお見事!「憎たらしい」くらい上手い。2007年入門だが、一部に「初々しさがない」とぼやく落語ファンがいるのも分からなくはない。
由瓶さんは抑揚が乏しく、一本調子なのが気になる。愛すべきキャラクターなのだが、古典は向いてないみたい。「侍ジャイアンツ2010」とか「足袋と帯」など彼の個性を生かせる新作の方がいいな。
「水神」は「君の名は」で一世を風靡した劇作家・菊田一夫が六代目・三遊亭円生のために書き下ろした新作落語(擬古典)。1963年11月15日に初演されている。笑えるところが少なく、はっきり言って詰まらない。出来の悪い「日本昔ばなし」といった風情。このネタを演じる噺家が現在は殆どいないというのも頷ける。滅んでも一向に構わない。初体験の正雀さんだったが、ネタのせいかその魅力が分からなかった。
九雀さんは「らくだ」のマクラで昔から自分のあだ名はいつも”ねずみ男”だったと。多分この噺は演じ慣れておられないのだろう、前半は珍しく噛むことが多かった。しかし全体としてはトントンと軽やか。死人に「かんかんのう」=看々踊(かんかんおどり)を踊らせる場面でハメモノ(お囃子)が入ったのにはびっくりした。帰宅し米朝さんと笑福亭松鶴演じる「らくだ」の映像を確認したが、やはりなかった。初めて「かんかんのう」がどんな曲か分かった。賑やかでいい。九雀さん独自の工夫に感謝。サゲもオジリナルで「人間の屑、担いでまんねん」。
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