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大植英次プロデュース「阪急クラシック」チャリティコンサート!

4月26日(火)に大植英次プロデュース「阪急クラシック」チャリティーコンサートが丸一日かけて阪急電鉄沿線で開催された。

朝11時からは宝塚バウホールで宝塚宙組の北翔海莉、愛花ちさき、すみれ乃麗、七瀬りりこらが大植さんと共演。1914年に宝塚少女歌劇の第1回公演として上演された「ドンブラコ(桃太郎)」が演奏され、さらに「ベルサイユのばら」主題歌”愛あればこそ”や「風と共に去りぬ」レット・バトラーのナンバー”さよならは夕映えの中で”が歌われたたという。

また宝塚駅今津線ホームでは阪急電車の留置車両内に赤い毛氈をひき、グランドピアノを持ち込んで演奏。このときの様子はこちらに詳しい→ブログ「やくぺん先生うわの空」

逸翁美術館マグノリアホールでは阪急電鉄の社長夫妻が来られ、角社長が宝塚歌劇トップ・スターだった春野寿美礼の為に作詞・作曲した“こんなにも愛されて”などが演奏された。そして最後は社長自ら募金箱を持って立たれたそう。今回集まったお金は東日本代震災・津波遺児への支援活動を行う「あしなが育英会」に寄付される。

僕は最終公演を聴くために梅田阪急ビル オフィスタワー15階スカイロビーへ。19時開演ということだったが、実際にはリハーサルが押して大植さんのお話が始まったのが15分過ぎくらい。

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「尊い命を突然奪われた方々を想い、黙祷しましょう」との大植さんの呼びかけで、全員起立し黙祷。着席すると大植さんがピアノでベートーヴェン/ピアノソナタ 第14番「月光」を静かに弾き始める。大植さんはこの前日、仙台フィルが設立した「音楽の力による復興センター」を支援するためのチャリティ・コンサートを静岡で開催し、福島県郡山市からの被災者も聴きに来られていたとか。

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「本当はチャリティなんかやりたくないんです。でもやらなければならない」「音楽はUniversal Languageです。国境も宗教も人種も関係ない」「今回は未曾有の天災に人災が加わった。外国の友人から言われました。これは東北だけじゃない、日本の悲劇、いや世界の悲劇だと」「僕は広島市に生まれました。叔父が原爆の犠牲となり、祖父が(遺体を)探しに一ヶ月出かけていたこともありました。原爆が投下されちょうど40年経った1985年にはバーンスタイン先生と広島平和コンサートに出演しました」「ガリレオは言いました。英雄を必要とする国は不幸な国だと」「バーンスタイン先生が仰っていたのですが、最高のオーケストラは一部のスター・プレイヤーがいるところではない。奏者全員が素晴らしいんだと」「明後日(28日)は市庁舎をぶん取ってまたチャリティやります!」饒舌に語る大植さん。ここで19時30分を超過し、大フィルのスタッフから「まき」が入る。

まずプログラム最初は昨年、「青少年のためのコンサート」に出演した高校生・山本愛沙子さんのホルン演奏。彼女は大阪フィルハーモニー交響楽団の主席ホルン奏者・村上哲さんの愛弟子である。

村上さんは開口一番「皆様、長らくお待たせして済みません」ここで会場から笑い。曲は「魔法使いの弟子」で有名なデュカス/ホルンとピアノのためのヴィラネル(田園詩)。若々しく真っ直ぐ伸びやか。気持ちいい演奏。大植さんがピアノ伴奏で村上さんが譜めくり。「結構ピアノのミスをしましたが、一音間違えるごとに千円寄付します!」という大植さんに村上さんが何やらボソボソ。「えっ、15回?じゃぁ1万5千円ですねっ」

次に弦楽合奏が登場。大阪音楽大学・京都市芸術大学の在校生および卒業生による約25人の合同演奏。兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオケ)のチェリストも1名参加した。コンサートミストレスは井前慶子さん(井前さんのブログはこちら)。彼女は山口県岩国市や広島市で開催された大植英次チャリティーコンサート(3日間で全9公演)にも参加されたとか。

(以下の写真はリハーサル風景。デジタル・カメラを使用し、シャッター音は消してある)

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モーツァルト/ディヴェルティメント K.136で大植さんはピアノの周りを絶え間なく動きながら踊るように指揮された。躍動感溢れる演奏。曰く「この曲を是非、僕の葬式で演奏して下さい、第1楽章だけでいいですから!」・・・大植さんは以前、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も葬式に希望されていたので、続けて演奏ということですね?

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次に震災の犠牲者に捧げるチャイコフスキー/弦楽セレナーデ 第3楽章 エレジー(哀歌)。「僕は楽譜のおたまじゃくしがハートに見えるんです」と大植さん(サイン会で「心音」と書かれることがある)。一音一音噛み締めるように奏でられ、途中大植さんの感情が昂ぶり、唸り声をあげる場面も。

そして第4楽章 フィナーレ。終結部で第1楽章の序奏主題が堂々と再現される箇所、大植さんはリハーサルで「ここは目の前のお客様に向けて演奏するのではなく、東北の被災者の方々に届けるように!」と。

続いて弾き振りでベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第4番 第2楽章。解説によると冒頭、弦のユニゾンが力強く奏でるフレーズは「何やってんだ!」という神の怒りだそう。それに対してピアノが弱音で瞑想的に歌うところ、リハーサルで大植さんは「I'm sorry. 僕が悪かった」と台詞を喋りながら弾かれていた。

アンコールは弦楽セレナーデに戻り、第2楽章 ワルツ。「最後は愉しい気分で」と。リハーサルで大植さんは「あま~い音で」「ここは蝶々が舞うように!」とジェスチャーを交えながら指導されていた。

募金については「桜の葉 お札に見える 造幣局 みんなで集めて 被災地へ!」と一句詠まれ、大植さんがピアノを弾き、皆で「ふるさと」を歌って〆。

後で知ったのだが丁度この頃、東京・サントリーホールではコバケン/日本フィルが「ふるさと」を演奏し、客席も一緒に歌ったそう。日本人の心がひとつになった瞬間だった。

なお大植さんは4月29日に単身盛岡空港に飛び、釜石や気仙沼など被災地を3日間廻る計画があるそう。「向こうでこのような演奏会をするつもりはありません。現地の方々がどれくらい大変な経験をされたのか、今どんな想いを抱いておられるのか、しっかりと聞いてきたい。そしてもし、その気になられたら一緒に歌でも歌いたいと考えています」と。またドイツに戻ってからも世界でチャリティ・コンサートを45-6回する予定になっているとの話もあった。つくづく凄い人だ。

最後に余談だが、リハーサルと本番を通し腕章を付けたカメラマンが最初から最後までず〜っとシャッターを切り続け、その音がとても気になった。音楽を愉しんでいる人の邪魔をしてまで、何百枚も写真を撮る必要が本当にあるのだろうか?報道のあり方に疑問を感じた。

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