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ニーノ・ロータの交響曲 日本初演!〜児玉宏/大阪交響団

3月17日ザ・シンフォニーホールへ。

O1

児玉 宏/大阪交響楽団の定期演奏会。

  • モーツァルト/交響曲 第35番「ハフナー」
  • 糀場富美子/「-古えの堺へ-百舌鳥耳原に寄せる3つの墓碑銘」初演
  • ニーノ・ロータ/交響曲 第4番「愛のカンツォーネに由来する交響曲」 
    日本初演

最初に楽員が楽器を持たず全員ステージに登場。楽団長の敷島さんが現在は避難所になっている東北の小学校などで演奏した想い出を語った後、聴衆もみな起立して東日本大震災で亡くなった方を悼み黙祷した。

大阪交響楽団の前身・大阪シンフォニカー交響楽団の第一回定期演奏会が森ノ宮ピロティホールで開催されたのはいまからちょうど30年前の1981年3月17日のことだった。当時のプログラム第一曲目として演奏された「ハフナー」が今回も取り上げられた。音尻がスッと減衰し、軽やか。弾力あるモーツァルト

糀場さんの新曲は楽団創立30周年を記念し、大阪府・堺市に因む委嘱作品。仁徳天皇陵、そしてその息子である履中、反正の両天皇陵がテーマとなっている。第1章プロローグは鳥の羽ばたきを木管楽器のキー・クリックで、鹿の鳴き声を弦楽器の特殊奏法で、また風の音を金管楽器に吹き込む息で表現している。第2章は穏やかな仁徳天皇を、第3章は暴力的で激しい表現法を用い非情な履中天皇を表す。第4章はコールアングレで実の兄を殺さなければならなかった反正天皇の深いラメント(嘆き)を描く。そして第5章は時空を超越する古墳群をイメージして締めくくられる。現代音楽にしては分かりやすく、大変面白い曲だった。機会があれば是非また聴きたい。

「ゴッドファーザー」「道」「太陽がいっぱい」で知られるニーノ・ロータとその交響曲については既に下記記事で詳しく語ったので、ここでは繰り返さない。

「愛のカンツォーネ」に由来する交響曲は1972年1月にローマで初演されたが、調性の枠を外れない古典的様式で書かれている。「時代遅れ」の烙印を押され長らく忘れ去られていたのだが、この度ようやく日の目を見る事が出来た。僕は10年前からこの曲のCDを所有していたが、よもや実演で聴けるとは考えてもみなかった。千載一遇の機会を与えてくれた児玉宏さんに感謝したい。

第1楽章アレグロは歌心に満ち、第2楽章はパンチが効いた舞曲。田舎の風景が広がる。第3楽章は美しいカンタービレ、そして第4楽章は急き立てられるような焦燥感、緊張感ある楽曲。良かった!

最後にプログラムにはないバッハ/管弦楽組曲 第3番〜アリアが演奏された。「これはアンコールではありません。拍手もいりません」と児玉さん。囁くように、消え入るように、そして祈るような演奏だった。

なお、同プログラムで3月19日に東京公演(地方オーケストラ・フェスティバル2011)も予定されていたが、震災の影響で中止となった。

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