誕生150年記念/アルフォンス・ミュシャ展
堺市立博物館へ。
19世紀末から20世紀初頭のパリに花開いたアール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャ展に行く。
そもそも大阪府・堺市は、500点に及ぶミュシャのコレクションを持っており(→アルフォンス・ミュシャ館公式サイトへ)、僕は以前サントリーミュージアム天保山で開催されたミュシャ展にも足を運んだのだが、今回の展覧会は今まで見たこともない作品が沢山海外から取り寄せられており、大変見応えがあった!感動した。
今回特に気に入ったのは、まずチョコレートの宣伝ポスター。
そして「ムーズ川のビール」
モラヴィア(オーストリア帝国領、現在のチェコ)に生まれたミュシャが後年、故郷に帰ってから描いた「モラヴィア教師合唱団コンサート用ポスター」の少女も可愛く魅力的である。
また元々、堺市のコレクションにあるのだが、下の「音楽」という作品をご覧頂きたい。
女性が耳をそばだて、音楽を聴いている情景を示しているわけだが、この絵には様々な工夫が凝らされ、ダイナミックに描かれていることに今回初めて気が付いた。
まず彼女の背景。木の枝に鳥がとまって囀っているが、これが五線譜と音符に見える。また女性を取り巻く円の中に描かれた指を順に目で追ってゆくと、まるでハープを爪弾いているかのような錯覚に陥る仕掛けが施されている。さらに絵の上、両隅にト音記号が描かれているのが分かりますか?画面下、女性のスカート部はヘ音記号だ。
それからミュシャの髪の毛の描き方とか、少女の周りに星を散らす手法とかが、日本の少女漫画に与えた影響の大きさも再認識した。
ミュシャってやっぱり凄い!必見。
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