飯森範親/いずみシンフォニエッタ大阪「マーラーへのオマージュ」
2月26日(土)、いずみホールへ。

ソプラノ・中丸三千繪さんを迎えての飯森範親/いずみシンフォニエッタ大阪の定期演奏会。今回は没後100年を記念して「マーラーへのオマージュ」がテーマ。
開演30分前に恒例のロビー・コンサートあり。ハープ奏者・内田奈織さんの独奏で、
- A. アッセルマン/五月の歌
- C. サルツェード/夜の歌
ハープって間近で聴くと、力強く大きな音がする。「夜の歌」は印象派風で、爪の裏で弾いたり打楽器風に共鳴胴を叩くなど奏法が面白い。
その後、飯森さんとシリーズ企画・監修の西村 朗(作曲家)とのプレトークあり。
- シュナーベル/Mahler-Moment(日本初演)
- マーラー(コルノット 編)/交響曲 第10番からアダージョ
- 神本真理/Playful theater(委嘱新作・初演)
- マーラー(川島素晴 編)/さすらう若人の歌、私はこの世に捨てられて
現役のドイツの作曲家シュナーベルは最弱音のハーモニクス(倍音)で開始され、ガラスのように繊細で神秘的な楽曲。マーラー/交響曲第1番や第9番からの引用もあるが、5分くらいであっけなく終わる。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「ベニスに死す」の影響もあり、マーラーの音楽は”厚化粧”というイメージがある。しかし室内オーケストラによる解像度の高いすっきりした響きを聴くと、とても見通しがよく、印象がガラリと変わるから面白い。
未完の交響曲では再現部に入ってからの終盤、属9和音の不協和音の中に浮かび上がるトランペットが強烈な印象を与える。飯森さんが「これはマーラーの叫びですね」と言うと、西村さんが「19世紀と20世紀の音楽を分ける響き」と答えられた意味がよく理解出来た。
飯森さんの指揮は表情豊かで動的。時折激しい表現もある。
神戸出身の若い作曲家・神本さんは《シック×カラフル》をキーワードに、文字通り遊び心に満ちた新作。冒頭部がJAZZっぽい。また息の音や、弓を叩く音を用いたりと変な曲。どこがマーラー?という感じだったが、それなりに愉しめた。
しかし今回の白眉は何と言ってもプログラム後半、中丸さんの深みのある歌唱だろう。声量豊かで陰影に富み、一言一言噛みしめるように歌われた。本来「さすらう若人の歌」はバリトンが歌うが、今回初めてソプラノで聴いても違和感はなかった。これは大変面白い試みと言えるだろう。
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