笑福亭鶴瓶/紅寄席
3月6日(日)、朝 「菊池のおじき」をしのぶ落語会、昼 丸谷明夫(特任教授)/大阪音楽大学短期大学部 吹奏楽演奏会を聴いた後、繁昌亭へ。
四代目・桂文紅さんを偲ぶ落語会。
- 笑福亭鶴瓶/鶴瓶噺
- 笑福亭喬介/つる
- 笑福亭瓶太/延陽伯
- 笑福亭三喬/べかこ
- 桂文福/相撲甚句
- 笑福亭鶴瓶/お直し
- 鶴瓶・文福・三喬/対談
鶴瓶噺では文紅さんが立命館大学卒業で、当時としては珍しいインテリだったこと、文才があり「青井竿竹」のペンネームでテレビ・ラジオの構成や脚本の執筆を手がけたことなどを語られた。鶴瓶さんは2002年に文紅さんから「子は鎹」の稽古を付けてもらった。「一番喋りにくい師匠を選んだ」と。鶴瓶さんがこのネタを掛ける時は必ず舞台袖でメモを取られ、ある雪が降る寒い夜、楽屋もない四条畷の落語会で初めてO.K.サインをくれたそうだ。文紅さんの死後は守口寄席を開催してきたが、七回忌の今回、初めて繁昌亭へ場所を移した。
喬介さんは「落語しま~す」と陽気に。噺に登場するアホが可愛い。
瓶太さんは文紅さんに5つのネタの稽古を付けてもらったそう。また笠智衆に似ていたとも。
上の写真は落語会で配られた瓦煎餅。
三喬さんは甲南女子大で講義した時のエピソードを披露。「飲む、打つ、買う」といっても、今の女子大生には理解してもらえない。”打つ”とは何かと学生に問うと、返ってきた答えは「シャブ?」では”買う”は……「牛?」(=cow) 繁昌亭が笑いに包まれた。
「べかこ」は噺家が主人公。そこで様々な落語家をスケッチ。「下ネタの鶴光、声が大きい文福、爆笑の枝雀、客席をシーンとさせる右喬」と。ネタに登場するニワトリを三喬さんは大熱演。また、お姫さまの一言コメントが最高に可笑しい!この噺は何度か聴いているが、今回が一番面白かった。
文福さんは得意の相撲甚句と謎かけで文紅さんを紹介。「鬼あざみ」などのネタを得意とし、またその師匠「文團治」の名前は現在空き名跡だが、上方でいずれ誰かが継がないといけないという話も。
鶴瓶さんは南光さんから「お直し」のテープを渡され、「お前、これやれ」と言われたそう。江戸時代には最下層の女郎=「蹴転(けころ)」が路地に立つ羅生門河岸(らしょうもんがし)があり、あまりにも乱暴な客引きだったため、鬼が引きずり込む場所という意味でそう名付けられたという。その頃、大阪・新町には遊女屋が31軒あり、上方では「蹴転」のことを「ドグロ」と呼び、それは魚のこと(調べてみると、河川など淡水に生息するドンコのことらしい)であると説明があった。このネタは本当に鶴瓶さんのニンに合っている。笑福亭のお家芸である酔っ払いの演技、そしてうぶな男の愚かしさ、滑稽さ。そういう人間性のおかしみが滲み出し、じっくり聴かせた。
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