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2011年3月23日 (水)

東西笑いの喬演〜笑福亭三喬・柳家喬太郎 二人会 (3/11)

東日本大震災が発生した3月11日(金)、大阪市立子ども文化センターへ。

S1

  • 吉崎律子、笑福亭喬若、喬介/幕開お囃子披露
  • 鈴々舎風車/真田小僧
  • 柳家喬太郎/白日の約束
  • 笑福亭三喬/鴻池の犬
  • 笑福亭三喬/鷺取り
  • 柳家喬太郎/錦木検校

まずは3人で四天王の出囃子を披露。五代目文枝の「廓丹前」、六代目松鶴の「舟行き」、桂米朝「三下り羯鼓」、そして桂春団治「野崎」。

風車さんはマクラで東西の気風の違いを。エスカレーターで東京は左に立ち右側を歩く人のために空けるが、大阪ではその逆。また東京の人は地下鉄車内で喋らず、シーンとしていると。

喬太郎さんは「何も触れないのも不自然ですから」と震災について触れ、「もしここで地震が発生したら、私もお客さんも一蓮托生です」そして1999年より以前に、ノストラダムスの大予言について考えたことなどを語られた。続いてバレンタイン・デーについて「ちょこざいな日」「こしゃくな」「冗談じゃねぇ!」と。真打になる前の二つ目の頃、2月14日の出来事。タクシーの後部座席に立川談春さんと柳家花緑さんにはさまれて座った。女性達がキャーと両サイドの窓に群がり、叩かれたウィンドウを下ろすとチョコレートの嵐が二人を襲う。ふと、その中のひとりが真ん中の人物に気付き「あ、良かったら喬太郎さんもどうぞ」と。「そんなお情け、いらねぇよ!!」と激怒する喬太郎さんに会場は大爆笑。

そして新作「白日の約束」の”白日”とはホワイト・デーの意味だと噺の半ばで分かる仕掛け。マクラはその伏線だったのだ。う~ん、やるねぇ!主人公が彼女をデートに誘う映画が「総長の首」(菅原文太主演、中島貞夫監督)や「県警対組織暴力」(菅原文太主演、深作欣二監督)といったマニアックさも最高に可笑しい。「背番号6」、SWAのユニフォームを着て口演。

三喬さんはマクラで西宮の小学校で転校生の女の子が「ぼん(坊)さんが屁をこいた(東京では”だるまさんがころんだ”)」を「ぼんさんが本読んだ」に言い換えていたという想い出を語られた。つまり公序良俗に反するので、親からそのように教育を受けたのだろうと。これが異なる環境で成長した犬の兄弟を描く「鴻池の犬」に結びついてゆく。三喬版で兄貴の”くろ”は鴻池家に引きとられ、サプリメントや皇潤(飲むヒアルロン酸)を与えられすくすく育つ。この”くろ”が親分肌でいい感じ。

鷺取り」は仁輪加(にわか)のないバージョン。サゲは「一人助かって、四人死んだ」

そしてトリは本当に聴きたかった喬太郎さんの「錦木検校(にしきぎけんぎょう)」!古典落語「三味線栗毛」を喬太郎流にアレンジし、それを聴いた鶴瓶さんが電話で了解を取って演じ始めたという逸話あり。おそらく喬太郎さんが大阪で人情噺を掛けるのは今回が初めてなのでは?満を持してのネタであり、聴き応えたっぷり。喬太郎さんはNHK「坂の上の雲」に役者として出演されており、迫真の演技で聴衆を魅了した。

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