華麗なるオスカー・ナイト 2011!/そして「英国王のスピーチ」製作秘話
今年のアカデミー賞、僕の予想は18部門的中した。過去最高は20部門(「おくりびと」が外国語映画賞を受賞した年)なので、まずまずといったところ。
アカデミー監督賞を受賞したのは「英国王のスピーチ」のトム・フーパー。1972年、ロンドン生まれ。「セブン」「ゾディアック」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「ソーシャル・ネットワーク」といった実績を持つデヴィッド・フィンチャー監督は、イギリス人で大したキャリアもない若造にオスカーを奪われて、さぞかし悔しいだろうなぁ。
授賞式のベスト・ドレッサーは文句なしに司会のアン・ハサウェイ(写真はこちら)。なんとタキシードを含め7着も衣装チェンジ!このどれもがシックで似合っていた。まるで彼女のファッション・ショー。さすがハリウッド女優。ナタリー・ポートマンのマタニティ・ドレスも良かったなぁ。
僕はナタリーが12歳で出演した映画「レオン」(1994)を公開時に映画館で観ている。オスカーを受賞できて、本当によかった。人気子役から名女優に成長するケースは極めて希。前例としてはエリザベス・テイラーくらいなのでは?
逆にワースト・ドレッサーはケイト・ブランシェットだろう(写真はこちら)←何これ??トイレの便座カバー?
アン・ハサウェイがミュージカル「レ・ミゼラブル」のナンバー"On My Own"の替え歌を披露する場面もあり、何だか無性に嬉しかった。また歌曲賞候補をグウィネス・パルトローが歌ったり、最後は子供たちによる”虹の彼方に”(映画「オズの魔法使い」1939)の大合唱で、歌に溢れた素敵な授賞式となった。
また、「英国王のスピーチ」でオリジナル脚本賞を初受賞したデヴィッド・サイドラーが壇上に上ると、白髪のおじいちゃんだったので驚いた。1937年生まれだから73歳くらい。「父は生前、私に『お前は大器晩成型だ』と言っていました。この賞の受賞者の中では恐らく私が最高齢ではないでしょうか」とスピーチした。彼自身、幼少時に戦争体験の影響で吃音に悩んだいたという(父方の祖父母をホロコーストにより亡くしている)。そしてラジオから流れるジョージ6世のスピーチを実際に聴いたことがあるそうだ(それが映画のクライマックスとなった)。
今から約30年前、彼はジョージ6世の未亡人に彼女の夫が吃音だった話を脚本に書いてよいかと手紙で尋ねたところ、「それはとても辛い思い出なので、自分が生きている間は書かないでほしい」という返事を貰ったという。結局、彼女は2002年に亡くなった。
トム・フーパー監督の母親は、友人の誘いで「英国王のスピーチ」の台本を読む朗読会に出かけ、この物語を知った。そして息子に電話を掛けてこう言った。「あなたの次回作を見つけたわよ!」こうして様々な人々の想いが交差し、映画の歯車は静かに動き始めた。
ちょっと素敵な話でしょう?
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