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2011年2月23日 (水)

大阪桐蔭高等学校吹奏楽部 定期演奏会 2011!@ザ・シンフォニーホール

ザ・シンフォニーホールへ。

T1

6年前に創部された大阪桐蔭高等学校吹奏楽部の定期演奏会。

桐蔭は創部2年目で吹奏楽コンクール全国大会に出場し、銀賞を受賞。昨年度と今年度は全日本吹奏楽コンクール全日本マーチングコンテストで2年連続ダブル金賞に輝いた。

ここの吹奏学部はIII類(体育・芸術コース)の生徒のみで構成される。I・II類にも別に吹奏楽部があるが、そちらは週2日に活動が制限されている。III類の授業は6時限・15時30分まで、以後が部活動に当てられ、I・II類の授業は7時限・16時50分までとなっている。

生徒の殆どは楽器経験者で、2月の時点で既に来年度の新入部員が決まっている(61名だそうである)。当然のことだが女子が多い。

よって、やはり吹奏楽コンクール金賞常連校の大阪府立淀川工科高等学校(淀工)とは極めて対照的である。淀工は元々工業高校であり、そもそも音楽の授業がない。20年くらいまでは吹奏楽部の全員が男子生徒、その殆どが初心者であった。最近は女子が入学し、その分楽器経験者が増えたが、それでも半数に満たない。丸谷明夫先生はそのことを誇りにしていらっしゃる節がある(コンサートでよく新入部員に「高校から楽器を始めた者」の手を挙げさせる)。

では、そろそろ桐蔭定期の感想に移ろう。全て総監督の梅田隆司先生が指揮をされた。

第1部

  • ワーグナー/歌劇「タンホイザー」より”歌の殿堂を讃えよう”
  • ボロディン/歌劇「イーゴリー公」より”ダッタン人の踊り”
  • ヴェルディ/「レクイエム」より
    ”聖なるかな~くすしきラッパの音~憐れなる我~怒りの日~我を救い給え”

もう冒頭の「タンホイザー」から度胆を抜かれた。ステージ奥のパイプオルガン両サイドにアイーダ・トランペットが6人並び、さらになんと100名以上の生徒がドイツ語で大合唱。美しいハーモニー、そして人海戦術によるド迫力。梅田先生は大学時代、声楽を専攻されていたそうである。成る程。

ダッタン人の踊り」は部員全員(160余名)が舞台に所狭しと座った。ホルンが14-5名、トランペットおよびトロンボーンがそれぞれ20名以上。チューバ12名。視覚的にも壮観であった。

ヴェルディは2010年吹奏楽コンクールの自由曲。コンクール・メンバー55名での精緻な演奏。金管はチューバ以外全員女子というのが興味深い。磨き上げられ、抜けるような音が腹にズシリと来る。

休憩を挟み第2部。

  • スタイナー/映画「風と共に去りぬ」より”タラのテーマ”
  • VTR「2010マーチング」~「3年間のあゆみ」
    「アイーダ」(パンク・ロック)~NHK連続テレビ小説「ひまわり」~「ありがとう」
  • マンシーニ/シネマ・マンシーニ
    ムーン・リバー~シャレード~ピンク・パンサー~ひまわり~小象の行進(ハタリ!)~ピーター・ガン
  • 大河ドラマ(2005-2011)テーマ曲コレクション
    義経~功名が辻~風林火山~篤姫~天地人~龍馬伝~江 姫たちの戦国
  • 久石譲/NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」より"Stand Alone"
  • 小嶋登(詞)坂本浩美(曲)/旅立ちの日に

風と共に去りぬ」はゆったりしたテンポでスケールが大きい。

次に梅田先生がパソコンを操作して、ステージ背景に降りてきたスクリーンに全日本マーチングコンテストのパフォーマンス(動画)を映し出した。

シネマ・マンシーニ」の「ムーン・リバー」は息の長い演奏。歌心が素晴らしい。「ひまわり」の切ない旋律は胸に滲みる。一方、「シャレード」「ピンク・パンサー」「ピーター・ガン」はパンチの効いたJAZZYな演奏でノリがいい。

大河ドラマのテーマ曲は毎年桐蔭がどこよりもいち早く取り上げるそうなのだが、梅田先生によると「天地人」と「龍馬伝」は演奏が技術的に難しすぎて楽譜が売れなかったとか。「でも今年の『』は比較的簡単なので、お勧めです」と。「龍馬伝」にはハミングが、「」にはピアノがフィーチャーされた。

「坂の上の雲」は歌姫と男子生徒がデュエットを披露。この二人の歌声は以前にも聴いたことがある。

旅立ちの日に」は最初に卒業生が、途中から1,2年生も加わり歌った。そして何と背景のスクリーンには3年生ひとりひとりの名前と、彼らの映像が映し出される。すごいな〜。

そしてアンコール。

  • サーカス・ビー(Circus Bee)
  • 家族写真(森山良子)
  • 銀河鉄道999(樽屋雅徳 編)
  • 星に願いを(「ピノキオ」)

サーカス・ビー」は超高速で圧巻。十八番の「銀河鉄道999」は踊り(振付)もあって愉しい。淀工の「ザ・ヒットパレード」とか伊奈学園の「オーメンズ・オブ・ラブ」などの演出を徹底的に研究し、さらに洗練した感じ。桐蔭、恐るべし。

全体的な印象として、素朴で手作り感一杯な淀工「グリーンコンサート」に対し、大阪桐蔭の定期はショー・アップされ、まるでアカデミー賞授賞式とかトニー賞授賞式を観ているかのような極上のエンターテイメントであった。またマーチが得意な淀工・丸谷先生と、生徒に歌わせることを好む桐蔭・梅田先生との違いも鮮明だ。

どちらが良いというのではない。同じ高校でありながらタイプの全く異なる第一級の吹奏楽部が二校も聴けて、大阪は豊かな街であると感じた夜であった。

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コメント

sunはじめまして
「吹奏楽」で色々検索していたら
ここにたどり着きました
全国大会で「大阪桐蔭」の演奏は鑑賞したことがありますがとても素晴らしいものでした
その裏には良い指導者、良いスタッフ、そして
生徒さん達の絶え間ない努力があるのですね

関西は有名校が多いのでお互い磨かれていくのが
良いですね

投稿: llbros | 2011年3月 3日 (木) 09時18分

コメントありがとうございます。

僕は岡山出身で、大阪には5年くらい前から住んでいます。やはり関西(都会)は吹奏楽のレベルが高いですね。

公立の淀工、そして私立の桐蔭。全くカラーは違いますが、全国トップレベルの演奏を2校も聴けるなんて、贅沢な話です。

投稿: 雅哉 | 2011年3月 3日 (木) 17時20分

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