田辺寄席(桂こごろうの段)→笑福亭たま/ナイトヘッド (2/19)
田辺寄席(夜席)へ。
- 桂佐ん吉/始末の極意
- 桂こごろう/くやみ
- 桂 文太/運廻し
- 桂 九雀/神隠し(かみかくし)
- 桂こごろう/高津の富
開口0番(文太の前ばなし)は「現代落語論」。天才・立川談志がなんと29歳の時に書いた名著である(1965年初版)。文太さんによると出版された当時、「なんば花月」の楽屋で仁鶴さんも読まれていたとか。本の中に登場する小噺もいくつか紹介された。
「くやみ」ではここごうさんが顔のパーツ(目、鼻、口など)を「広げた笑顔」と「中央に寄せたくやみの表情」の対比が可笑しい。のろけだけ言って帰る弔問客の生き生きした描写もいいね。
文太さんの「運廻し」は途中から独自の味付けが。特に地下鉄・御堂筋線(ほんまち→しんさいばし→なんば)から南海線に乗り換え(→しんいまみや→てんがちゃや→・・・)「林間田園都市(”ん”が4つ)」駅に到着する展開には爆笑。ここで往復して”ん”がさらに2倍になるのだが、「このギャグは(故)枝雀師匠も感心して下さいました」と。
文太さんも聴いたことがないという「神隠し」はもしかしたら小佐田定雄さんの新作かな?と思っていたのだが、九雀さんは眼鏡を外して登場。おっ、古典を演じるときの”クラシック型”だ!どうやら約300年前に滅んだ「超古典落語」(小佐田さん脚色)らしい。上方落語にしばしば登場する放蕩な若旦那が主人公で、サゲも上々。なななか面白かった。
田辺寄席を後にし、お次は繁昌亭レイトショーへ。
- 笑福亭喬介/つる
- 笑福亭たま/代書屋
- 旭堂南海/山内一豊の妻、千代(講談)
- 笑福亭たま/新作ショート落語+こうじゅん(たま 作)
喬介くんはアホなキャラクターが絶品!甲高い声で陽気な高座、実に愉快だった。
たまさんは高学歴で嫌味な代書屋と、学がなく無茶な依頼人とのコントラストが鮮明。上手い。
春蝶さんで落語版「山内一豊と千代」を聴いたことはあったけれど、オリジナルの講談は初。南海さんは心地よい語り口で、味わい深い一席。
たまさんの新作ショート落語は不発。「こうじゅん」は86歳の老婆がヒアルロン酸の原液を自己注射し、堀北真希みたいに若返って恋に落ちる噺。しかし薬の効果が次第に短くなってきて……。アイディアとしては面白いのだが、ギャグがくどく、些か冗長に感じられた。でもさらに手を入れれば、「伝説の組長」「憧れの人間国宝」みたいな鉄板ネタに成長する可能性も。
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