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2011年1月28日 (金)

笑福亭鶴笑/「国境なき芸能団」イラク報告&落語会

いきいきエイジングセンターへ。

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落語家・笑福亭鶴笑さんを団長とするNPO法人「国境なき芸能団」は昨年11月30日~12月8日の間、イラクの(クルド人)難民キャンプや学校、病院などを慰問した。その報告会および落語会を聴いた。木戸銭1,000円也。

鶴笑さんが登場し、いままで既に31カ国で落語を演じたことやイラクを訪問するまでの経緯を説明。まず外務省の邦人テロ対策室と相談、この地域は行ったら行けないとか色々とアドバイスを受けたそう。危険地域のため海外旅行保険には入れず。ドバイの空港に到着するや否やパスポートを取り上げられたこと、現地ではクルド語とアラブ語を使い分けたことなどを語られた。子供たちに南京玉すだれや紙切り(馬、パンダ)、皿廻しなどを披露。手作りの鶏のぬいぐるみが卵を産み、それがヒヨコに早変わりするのもよく受けたようだ。

手品師・阪野 登さんは日本の小学校で手品をすると、「やるならやってみい」「みたことあるな」といった、すれた反応が返ってくるが、生の演芸に接したことのないイラクの子供達には目力(めぢから)があったと。

漫画家・高宮信一さんは「イラクに行く前は心配でした。イスラム圏ですからお酒がないでしょう?」69歳という自分の年齢もあり躊躇していたら、事務局長から「高宮さん、あんたもう70やろ?失うものないですやん」と説得されたそう。現地ではライオンなどの漫画が歓ばれたようだ。

フリージャーナリスト・西谷文和さんのお話の後、記録ビデオの上映が20分。鶴笑さんがパペット落語「ザ・サムライ(忍者)」を演じ、興奮した子供たちがどんどん高座に近寄ってくる様子、現地のテレビでトップ・ニュースとして報道されたこと、劣化ウラン弾の影響で白血病になった子供らが入院しているガン専門病棟を訪問したエピソードなどが紹介された。子供たちの真っ直ぐな眼差しと、笑顔が印象的であった。なお、これらの詳細は西谷さんのブログに写真付きで紹介されている→こちら

再び鶴笑さん登場。「本当はイラクで演ったパペット落語(ザ・サムライ)をしようと思ったのですが、シーア派 vs.スンニー派や民族対立の現実を知ってしまうと、 こうした武器で戦う噺が出来なくなってしまいました。そこで内容を子供たちを主人公にしたものに変えてみました」と。そして「立体西遊記」の改訂版で、最後は地球を侵略しようとした青獅子・赤獅子を子供たちの純粋な瞳がやっつけ、荒廃した大地に緑が育っていくという展開へ。

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「我々は地球が舞台だと思っています」という鶴笑さんの力強い言葉で〆となった。

帰り際、客席からは「ちょっと考えすぎじゃないか」という会話も聞こえてきたが、鶴笑さんの真摯な想いも伝わってきたし、あれでよかったんじゃないかな。心に残る会でした。

なお、鶴笑さんは今年もイラクに行かれるそうである。

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