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樫本大進×コンスタンチン・リフシッツ によるベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ

いずみホールへ。

試用期間を経て、この度ベルリン・フィル第1コンサートマスターへの就任が正式に決まった樫本大進さんとウクライナ生まれのピアニスト、コンスタンチン・リフシッツのデュオ・リサイタルを聴く。

K1

オール・ベートーヴェン・プログラムで、

  • ヴァイオリン・ソナタ 第1番
  • ヴァイオリン・ソナタ 第5番「春」
  • ヴァイオリン・ソナタ 第10番

「春」はつい先日、神尾真由子さんで聴いたが、目が覚めるような名演であった(来年はヒラリー・ハーンでも同曲を聴く予定)。

樫本さんの弾くヴァイオリンは穏やかで豊かな音がする(使用楽器は1674年製アンドレア・グヮルネリ)。しかし全体的に大人しく、なんだか物足りない。

神尾さんのヴァイオリンにあって、樫本さんには感じられないもの。それはパッション強い意志である。

ベルリン・フィルのコンマスってこの程度のものかと些かガッカリしたが、考えてみれば安永 徹さんをはじめとする歴代のコンマスの中でソリストとして目覚しい活躍をした人はいない。せいぜい弦楽四重奏団止まりである。だから元来こんなものなのだろう。

一方、リフシッツのピアノは剛直で力強く、切れがある。カチッとしてダイナミックな音作りは同じウクライナ出身のロシアのピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルのそれを彷彿とさせた。

樫本さんはリフシッツについてインタビューの中でこう語っている。

その演奏は驚異的な集中力に支配され、ある種の狂気をただよわせる。ベートーヴェンの作品の奥にもそうした狂気が横たわっている。だからぼくも狂気を感じさせる演奏をしたい。

確かにピアノからはその”狂気”がひしひしと伝わってきたが、残念ながらヴァイオリンからは感じ取ることが出来なかった。

樫本さんのソロ・リサイタルには今後二度と足を運ぶことはないだろう。しかし、リフシッツは是非また聴いてみたい。そんなことどもを想った夜だった。

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