人生万歳
評価:B+
原題は"WHATEVER WORKS"-「何があろうと上手くいくなら、それでいいじゃない」といった意味。映画公式サイトはこちら。
ウディ・アレンが1970年代に執筆していた脚本を2009年に映画化。
主人公が神経質な知識人というのはアレン自身が主演する時によくある設定で、若い娘にしか恋愛感情を抱けないというのも彼の実人生を彷彿とさせる。
ある意味、現代版「マイ・フェア・レディ」と言えるプロットで、映画中に「ピグマリオン」(「マイ・フェア・レディ」の下敷きになったバーナード・ショーの戯曲)についての言及もある。そして本作ではヒギンズ教授とイライザが結婚したその後も描かれることになる。ちなみにアレンは「僕が考える最も優れたブロードウェイ・ミュージカルは 『マイ・フェア・レディ』『ザ・ミュージック・マン』そして 『ガイズ・アンド・ドールズ(野郎どもと女たち)』さ」と語っている。
「マッチポイント」(2005)以降、ロンドンやバルセロナなどヨーロッパで映画製作を続けていたアレンが久しぶりにホームグラウンドのニューヨークに戻って撮った作品であり、全篇が非常にリラックスした雰囲気に満ちている。
軽い恋愛コメディだが、アレンらしい人生讃歌になっていて愉しめた。たまにはこういう肩の力が抜けた作品もいい。「生きてさえいれば、なんとでもなる」そういう気持ちにさせられた。
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