福笑・鯉昇二人会
繁昌亭へ。
東京から瀧川鯉昇(たきがわりしょう)さんを迎えての二人会。
- 笑福亭たま/近日息子
- 笑福亭福笑/博士の新薬(福笑 作)
- 瀧川鯉昇/二番煎じ
- 瀧川鯉昇/粗忽の釘
- 笑福亭福笑/崇徳院
たまさんはエキセントリックに、登場人物がキレまくる「近日息子」。実に愉快。
たまさんも福笑さんもマクラで海老蔵の話題。やはり旬の人だからなぁ。
福笑さんによると鯉昇さんは最初「春風亭柳若」と名乗っていて、次に「愛嬌」そして現在の名前となったそう。「昔の方が良かった。どんどんお客を愚弄する名前になっていく!」これには場内大いに盛り上がる。現在、東京の噺家の多くは古今亭志ん朝の影響を多かれ少なかれ受けているが、鯉昇さんはそれとは一切無縁で、カントリー風とも言える。鯉昇vs.福笑、「静と動」の違いを楽しんで欲しいと。
鯉昇さんが登場し座布団に座ると、しばし場内の様子を探るように見渡して無言。その「間」に笑いが起きる。こうして客を自分独自のテンポに引っ張り込む。飄々として、とぼけた味わいがある高座。あくまで穏やかで、そこには人間の可愛らしさがある。
「粗忽の釘」は勿論、上方の「宿替え」。釘を打つ目的が箒を掛けるためではなく鯉昇版ではエキスパンダーというのが可笑しい。
トリは福笑さん。中国・広州で開催されたアジア大会に登場した「エチケットの天使」に欲情したこと、蓮舫議員が国会議事堂でVOGUEの写真を撮ったことに触れ、「美人は徳だ」ということをマクラに過激な「崇徳院」へ。福笑版では手伝いの熊五郎が若旦那の純愛物語を聴き、邪悪に笑う!熊の女房も史上最強の”鬼嫁”。そして最後、三日間大阪中を歩き回りくたくたに疲れ果てた熊の姿は、まるで”ラリってる”よう。さすが福笑さん、恐れ入りました。
死ぬほど笑った二時間半だった。
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