遊方・八天 IN 徳徳亭/月亭遊方のゴキゲン落語会
12月15日(水)、トリイホール下の徳徳亭へ。
とくとく寄席「年忘れ!八天噺」18時半開演。
- 月亭天使/子ほめ
- 月亭八天/高尾
- 笑福亭生寿/二人ぐせ
- 月亭八天/夢の革財布
「子ほめ」は長めの20分。八天さんの弟子・天使さんは初めて聴いたが、視線が定まらず目が泳ぎ、未だ会話という感じがしない。
生寿さんは福笑さんに初めてカラオケに誘われたエピソードを披露。宴は23時から翌3時半まで延々と続いたそう。駄目出しをされないよう気を使い、ロック好きの福笑さんに合わせ甲斐バンドの「HERO(ヒーローになる時、それは今)」を選んだら、ご満悦だったそう。また福笑さんはアニメソング「セーラームーン」などを唄われたとか。
客の入りは16人で、八天さんはそれが気に入らなかった様子。マクラで愚痴ってた。彼の高座には稽古に裏打ちされた確かな上手さがあった。なお、「夢の革財布」は江戸落語の「芝浜」。
引き続き「とくとくレイトショー」最終回、21時20分開演。こちらの入りは10人。
- 月亭遊方/寄合酒
当初遊方さんは自作「虚礼困惑騒動」も用意されていたが、マクラが盛り上がったため、一席のみに変更。
12月3日に遊方さんのところへ弟子見習いが入門。大分県出身で7年間、漫才コンビ「はだか電球」で活躍した人(今年コンビ解散)だそう。米朝師匠にも事始めで挨拶を済ませたとのこと。
また若い頃、八方師匠の付き人としてなんば花月で南野陽子や早見優に遭遇した時のエピソードや、撮影現場で松田優作に話しかけられたという”とっておきの話”をされた。
遊方さんの古典は珍しい。「寄合酒」は独自の工夫が随所に盛り込まれ、愉しかった。
翌16日は「月亭遊方のゴキゲン落語会」@ワッハ上方4階・小演芸場
遊方さんワン・アンド・オンリーの会。
- 開幕前戯噺(遊方の日常あれこれ)
- 奇跡のラッキーカムカム(遊方 作)
- てんのじ小屋(遊方 作)
「てんのじ小屋」は遊方さんが大好きなウディ・アレン監督「おいしい生活」のパロディ。遊方さんによるとアレン作品は非常に落語的で、「カサブランカ」のハンフリー・ボガートに憧れる主人公が登場する映画「ボギー!俺も男だ」は落語「時うどん」「昭和任侠伝」に通じるものがあると。言われてみれば確かにその通りだなぁ。「てんのじ小屋」とは昔、桂あやめさんが席亭を務められていた寄席小屋「茶臼山舞台」がモデル。初演時には遊方、あやめ、三金、たま、南湖ら噺家・講談師が実名で登場したそうだが、今回は名前が替えられていた。
秀逸だったのは「奇跡のラッキーカムカム」。”身につけているだけで幸せになれる!”が謳い文句の縁起物をテーマにした作品。桂三四郎さんが一番好きなネタだそうで、彼の会でもこれを演って欲しいと指定されるとか。その気持ちよく分かる。本当に面白いもん。他力本願な人間の心の弱さを突く傑作だった。
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