最後の忠臣蔵
評価:B
ハリウッド大手のワーナー・ブラザースが企画から製作まで担当したローカル・プロダクションの第1弾。
映画のボーダレス化は顕著である。日本人俳優がハリウッドや中国映画に出演するのも珍しくなくなったし、「ノルウェイの森」のトラン・アン・ユン監督はベトナム出身のフランス人である。こうした国際交流が映画のクオリティを押し上げるのなら、大歓迎である。
映画公式サイトはこちら。討ち入りの後日談を描く。
脚本は「ツィゴイネルワイゼン」「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」の田中陽造。それを20人以上で検討・修正したという脚本重視のハリウッド方式が見事に功を奏した。人形浄瑠璃「曽根崎心中」と絡めた構成もいい。
監督の杉田成道はテレビドラマ「北の国から」の演出で知られるテレビ・ディレクター。「優駿」(1988)の頃はテレビ的撮り方が気になったが、今回はしっかり映画らしいスケール感があった。撮影監督が「たそがれ清兵衛」「武士の一分」「沈まぬ太陽」の長沼六男。雪景色や竹林など日本の自然がたいそう美しい。美術装置も重厚で素晴らしい。
役所広司、佐藤浩市、安田成美など役者陣も充実しているが、何といっても白眉は可音(かね)を演じた桜庭ななみだろう。その可憐で凛とした佇まいにやられちまった!
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