立川談志 繁昌亭初登場!/三枝・米團治 二人会
11月22日(月)、天満天神繁昌亭へ。

桂三枝さんと米團治さんの二人会。

開幕のご挨拶は二人ともスーツ姿でStand up talk。三枝さんから足の指の調子を問われる米團治さん。左母趾打撲が悪化し骨髄炎となり、一時入院されていたが「今は大分回復しました」と靴下を脱いでズボンをまくり上げる。「君、汚い足やな!しっかり毎日稽古して正座しとったら、足の毛は薄くなるはずやで」と三枝さんもまくり上げると、確かにつるつる!会話を続けながら、三枝さんがしきりに米團治さんの足を踏みつける真似をして客席から笑いが起こる。まるで漫才みたい。
「実は今日、東京からゲストを招いています。本当に来て下さるかどうか心配していましたが、たった今新大阪駅で身柄を確保したと連絡が入り、こちらに向かっているそうです。中入り後、三人で対談となります。本当は落語をして頂きたいところですが、色々難しいことがありまして」と三枝さん。僕はこの時点で、「きっと立川談志さんだ!」と確信した。
談志さんは昨年10月2日に大阪のシアタードラマシティで「朝日東西名人会」、翌3日は繁昌亭で「談志・三枝ふたり会」への出演が予定されており、僕は両者のチケットを購入していた。
ところが体調を崩し急遽入院されたため、「東西名人会」は談春さんが代演、「談志・三枝ふたり会」は公演中止・払い戻しとなった。
だから今回は、その果たせなかった会の再挑戦を意図したものに違いないと思い至ったのである。
番組は以下の通り。
- 三枝、米團治/ご挨拶
- 米市/小噺 二題
- 三若/私がパパよ(三枝 作)
- 米團治/掛取り
- 談志、三枝、米團治/鼎談
- 三枝/背なで老いてる唐獅子牡丹(三枝 作)
足の怪我が完治していない米團治さんは座椅子を使っての口演。歌劇「トゥーランドット」のアリアを替え歌で歌ったり、借金取りを作曲家尽くしで撃退したりと彼らしい高座。
そして仲入りを挟み、本当に談志さんが登場。場内がどよめき、大きな拍手が巻き起こる。「師匠に完成した繁昌亭を一度見て頂きたかった」という桂三枝・上方落語協会会長の夢が実現した場に立ち会えた、この喜び!
「いい小屋だね」と談志さん。声が掠れて出ていないが(ピン・マイク使用)、しっかりした足取りだった。「(繁昌亭も見たし)もうくたばってもいいや」
昨年の入院の時、鶴瓶さんがニセ医者の格好でお見舞いに行った件を三枝さんが振ると、「あの時は朦朧としていて憶えてねぇんだ」と。なお、そのエピソードについては以前、鶴瓶さんも詳しく語っておられる。
そして色々と芸談があり、「ミューズ(落語の神様)が下りてきた」という「芝浜」の話題(2007年12月18日よみうりホール、10枚組DVD-BOX「談志大全 上」に収録)も。
さらにパトリック・ハーランがら教わったという漂流して無人島にたどり着いた男女の小噺を披露して下さり、聴いているこちらは大満足。
談志さんは「米朝さんに挨拶してから(東京に)帰るよ」との言葉を残し、鼎談は〆となった。
トリは三枝さん。「談志師匠、昔からかっこよくて憧れていました」と。
そして若い頃、談志さんに連れられ団鬼六さんの自宅に行き、鬼六さんからSM写真が詰まった箱を見せられ「どれでも気に入ったのを持って帰ったらいい」と言われて、困ったことなどを明かされた。
「僕は落語家として、これからどう老いていったらいいのか、悩んでいるんです」と語り、老いをテーマにした「背なで老いてる唐獅子牡丹」へ。大変面白く、中身の濃い高座であった。
三枝さんはブログで、この日のことを「落語史に残るイベントだった」と振り返っておられる→こちら(写真あり)
正にその歴史的瞬間に僕も立ち会えた幸運を、今は落語の神様に感謝したい気持ちで一杯である。
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