バルトークとニールセン/大阪交響楽団 定期
ザ・シンフォニーホールでインボー・イシイ=エトウ/大阪交響楽団の定期を聴く。
- ヴォーン=ウィリアムズ/「2つの賛美歌の調べによる前奏曲」“夕暮れ”
- バルトーク/ヴァイオリン協奏曲 第2番(ヴァイオリン独奏:漆原朝子)
- ニールセン/交響曲 第5番
ハンガリーの民族色と現代音楽の語法を融合させたバルトークの音楽を聴いていると、同郷の作曲家ミクロス・ローザの作品(ハリウッド映画「白い恐怖」「クォ・ヴァディス」「ベン・ハー」「エル・シド」)を想い出した。漆原さんのヴァイオリンは深い音色で聴衆を魅了する。
しかし今回の白眉は何といってもプログラム後半、デンマークの作曲家ニールセンであった。
この2楽章形式のシンフォニーは20世紀の混沌を描いている。初演されたのが1922年。第一次世界大戦が終わり、第二次大戦へ向かってヨーロッパ全体が俄に動き出していた不安な時代に書かれた。客席通路から聴こえてくる小太鼓が鮮烈な印象を残す。
インボー・イシイ=エトウさんは今までにないくらい熱の入った指揮ぶりで、作品世界の計り知れない深淵を覗き込むかのような体験をさせて貰った。
滅多に聴く機会のない作品ばかりであったが、大変中身の濃い演奏会であった。
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