ブラームス=ロマン派としての解釈~大植英次/大フィル 交響曲全曲演奏会 III
ザ・シンフォニーホールへ。

大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団(ピアノ独奏:フセイン・セルメット)で
- ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番
(ソリスト・アンコール:アントニオ・ソレール/ソナタ) - ブラームス/交響曲 第3番
コンチェルトで大植さんは指揮棒を使い、シンフォニーは指揮棒なし。弦は対向配置。
セルメットはトルコ・イスタンブール生まれ。まぁ、はっきり言って2流のピアニストだった。ミスタッチが多くしばしば響きが濁り、均一に音を鳴らすことが出来ない。つまり第一、二指(親指、人差し指)に比べ、第四、五指の力(タッチ)が弱いのである。いつものことだが、どうして大フィルはまともなソリストを招聘できないのか?日本にだってもっと優秀な人材が沢山いるではないか。大阪交響楽団を見習うべし。
しかし、オーケストラの方は申し分なかった。以前から書いていることだが、大植さんのブラームスはベートーヴェンの遺志を受け継ぐ新・古典派としてではなく、ロマン派の作曲家としての解釈。濃密な愁いがあり、しなやかに歌う。第3楽章に波濤を感じ、第4楽章はウィットに富んでいた。
休憩を挟み後半は深まる秋のシンフォニー。正に11月に演奏されるに相応しい。
第1楽章の第1主題はびっくりするくらい速いテンポで開始されるが、途中からググッと落とす。緩急のコントラストが鮮明。そして終結部ではアクセル全快で嵐の如し。
第2楽章はメランコリックな情緒を巧みに醸し出し、第3楽章は美しいメロディ・ラインをニュアンス豊かに歌い上げる。
そして終楽章は疾風吹き荒ぶ。音楽はどんどん熱くなり、激しいうねりとなる。
大植さんのブラームスは第1、第2シンフォニーより後期の方が断然いいね!次回の交響曲 第4番にも大いに期待する。
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コメント
雅哉さん、こんにちは。
まあ、ブラ3には驚きましたね。まさか、こんな演奏になろうとは。
雅哉さんも、前のブラ3を聴いておられると思いますが、それと比較して、どういう感想を持たれましたか?
こうして振り返ると、今回のブラームスチクルス、あきらかに「前の演奏とは違う演奏にするんだ」、という確固たる意志がそこにあるのかもしれません。
では、「幻の過去」の演奏があるブラ4は如何に?というところですね。
投稿: ぐすたふ | 2010年11月 7日 (日) 15時50分
ぐすたふさん、コメント通知に不具合があったようで対応が遅れて失礼しました。
前回のブラームス3番に比べて明らかにテンポ・アップしていて驚きました。考えてみればマーラーの5番も、ベートーヴェンの7番も2回目に聴いた時はまるで別物でした。大植さんの解釈は日々変化していっているということなのでしょう。同じものは二度とない、予測不能なのですこぶる面白いです。
さぁ、ブラームスの4番ですね。あの「誰もいない指揮台」の衝撃から、この日が来るのを本当に待ちわびていました!
投稿: 雅哉 | 2010年11月13日 (土) 19時04分