シューマン2010 結婚の年に歌う「詩人の恋」「リーダークライス」
10/29 いずみホールへ。シューマン生誕200年を記念した演奏会シリーズ。
ジョン・エルウィス(テノール)、渡邊順生(フォルテピアノ)で
- 「リーダークライス」より
- 「ミルテの花」より
- 「詩人の恋」(1840年オリジナル20曲バージョン)
日本語のプロフィールには意図的にジョン・エルウィスの生年月日を書いていないので、英語のWikipediaで調べてみると1946年10月生まれ。つまり64歳である。だから当然、高音が掠れ、年齢による声の衰えは隠しようがない。
しかし美声であることは確かだし、十分シューマンの歌曲を堪能した。
またフォルテピアノが伴奏する歌曲というのは初体験だったが、鄙びた優しい音がするフォルテピアノは人の声によく似合う。硬質で冷たい響きがするモダン・ピアノより優れているのでは?
1840年、執拗なクララの父親の妨害工作にめげず、裁判にまで訴えて漸くロベルトは彼女と結婚することが叶った。シューマン30歳のことであった。この一年間で彼は140曲もの歌曲を生み出していく。「ミルテの花」は結婚式の前日、花嫁クララへの贈り物となった。なんともロマンティックで、幸福感溢れた歌曲集である。
「詩人の恋」は出版時にカットされた4曲を含むオリジナル・バージョンが歌われた。これも聴き応えがあった。
はっきり言ってシューマンて、交響曲よりピアノや歌曲の方が断然いいね。多分それはピアニストだったクララへの想いがより濃厚に表出しているからだろうな。
アンコールは
- ショパン/「17のポーランドの歌」より第13曲「孤独」
ショパンが歌曲を作曲していたなんて初めて知った。いろいろと興味深い演奏会だった。
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