文我・宗助 二人会 (11/19)
梅田・太融寺へ。
客は70人くらいの入り。盛況。
- 笑福亭生寿/狸の鯉
- 桂 文我/矢橋船
- 桂 宗助/質屋蔵
- 文我&宗助/ネタあれこれ
- 桂 宗助/べかこ
- 桂 文我/大仏餅
「狸の鯉」は余り演じられないが、導入部は「狸賽(たぬさい)」と同じ。子狸が主人公への恩返しに、サイコロではなく鯉に化けるという展開。
「矢橋船」は”東の旅”シリーズのひとつ。今回初めて聴いた。
「べかこ」は米朝直伝で、一門では他に演じ手がないとか。他に珍しい(米朝直伝の)ネタとして宗助さんは「三年酒」「ぬの字鼠」「釜猫」といったものを持っておられると文我さんから紹介があった。
宗助さんは板場の修行を一人前になるまでやって、それでもやっぱり噺家になりたいと24歳の時に米朝師匠の門を叩いた。場所は大津市民会館の楽屋。一度は断られたが、付き添ってきたお母さんが「師匠頼みますから、うちの息子を3日だけでもええさかい置いたってください」と深々と頭を下げ、漸く入門が許されたと、その場にいた文我さんの証言。きりりとして品がある高座だった。
「大仏餅」は三遊亭圓朝が三題噺で創作したと言われるもの。そのときのお題は「大仏餅」「袴着の祝い」「新米の盲乞食」だったという。ちなみに「芝浜」も圓朝が三題噺で創り、そのときのお題は「芝浜」「財布」「酔っ払い」だったとされる(この説を疑問視する声もある)。「大仏餅」は八代目林家正蔵→三代目桂文我→四代目(現)桂文我と口伝されたものだそう。「芝浜」の完成度に比べると、些か展開に無理があるなぁと想った。
珍品が色々と聴けて、値打ちのある会だった。
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