笑福亭たま/緊急落語会(11/6)、 寒空はだか IN セキララ落語会(11/7)
11月6日(土)、動楽亭へ。客は40人前後の入り。
- 笑福亭たま/前説・落語の時代背景
- 笑福亭笑子/新作(仮題「42歳」??)
- 笑福亭たま/高津の富
- 笑福亭由瓶/足袋と帯(由瓶 作)
- 旭堂南青/講談・忠僕元助(「赤穂義士外伝」より)
- 笑福亭たま/プロレス(たまよね 作)
たまさんの前説は富くじが登場する「高津の富」が創作された時代における貨幣価値のお話。
シンガポール在住・笑子さんの新作は彼女得意の腹話術で内なる声を聴かせるという趣向が新鮮だった。これで内容がもっと練られれば、今後の展開に期待出来るかも。
由瓶さんの新作は入門20年目の落語家が主人公。自身はあるホールの最上階(ワッハ上方7階レッスンルームがモデル?)で20人くらいの客を前に勉強会をしているが、同じ日に同期が下の大ホール(1,300人収容)を満席にして落語会をしているという設定。その同期が「芝居噺」を三席披露しているというのがあり得ないけれど、モデルとなった人物が大方推定されて笑える。プロットの出来が良いしサゲも秀逸。落語マニア向き・楽屋受けする噺だが、一方で普遍性があるか(落語をあまり聴かない一般客でも楽しめるか)?と問われたら疑問も残る。このあたりが三枝さんの創作落語との違いだろう。
「プロレス」の作者たまよねとは笑福亭たまさんと放送作家・米井敬人さんの合同ペンネーム。プロレス博物館での導入部には意表を突かれた。
さて、翌7日(日)は高津神社・高津の富亭へ。やはり入りは40人くらい。
- 笑福亭生寿/二人癖
- 旭堂南湖/講談・子ほめ(南湖 作)
- 笑福亭たま/七度狐
- 寒空はだか/漫談(タップリ)
- はだか・たま・南湖/座談会「寒空はだかを暴く!」
- 笑福亭たま/初天神
南湖さんが「子ほめをします」と語り始めたときはびっくりしたけれど、奥さんの妊娠から出産、赤ちゃんに名前を付けるまでの”実録もの”ですこぶる面白かった。彼独特の味わいがあって、いいなぁ。
寒空はだかさんは”真空ギター”(いわゆる口三味線)を織り込みながら漫談を展開。憂歌団の「嫌んなった」の替え歌やロシア民謡(プーチンに捧げる歌)、「マタギ」「落研ハイスクール・ロックンロール」「東京タワーの歌」などを次々に披露。
♪たわー、たわー、東京タワーにのぼったわー
という、「東京タワーの歌」が印象深かった。
たまさんの「七度狐」はベチョタレ雑炊にフグの肝やトリカブトが入っていたりと独自の味付けがあり、可笑しかった。サゲもオリジナル。
たまさんの二席目は以前、一度だけ演じたことのある月亭遊方作品をされるつもりだったそうだが(2005年「できちゃったらくご!~遊方トリビュート・ライヴ~」の「オーサカ・シネマロケンロール」か??)、本人の了承を得ようと電話してみると、とある事情で遊方さんが落ち込んでおられて、許可は下りたものの「これは止めといた方がよさそう」と判断。急遽古典に変更となった。
「青菜」「火焔太鼓」「初天神」「寝床」「質屋芝居」の中から客席の拍手で決めることに。
エキセントリックな「初天神」で中々良かったが、やっぱり”たま版”遊方作品も聴きたかったなぁ。
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