林家笑丸独演会 2010秋 (ゲスト:松尾貴史)
繁昌亭へ。
林家染丸さんの弟子、笑丸さん(平成10年入門)の会。
- 桂 二乗/強情灸
- 林家笑丸/延陽伯
- 松尾貴史/くっしゃみ講釈
- 林家笑丸/浮世床
- 林家笑丸/鯉津栄之助・改
(二枚扇の踊り)(新ウクレレ落語)
「延陽伯」は噺の半ば、独自のサゲで終わった。創意工夫があってよかった。
「浮世床」は古くからある小咄を集めて、一席の落語にしたオムニバス形式の噺で、笑丸さんが演じたのは《将棋》と《変な軍記》。他にも《夢の逢瀬》《逃げた客》というエピソードもあるみたいなので、また他の演者でも聴いてみたい。でも全部通してされると、ちょっとダレるかも。
「鯉津栄之助」は珍しい噺。領主の嫡男が生まれ、鯉津栄之助(こいつええのすけ)と名付けられた。そこで「こいつぁええ」という言葉を使わぬよう警告するために関所が設けられるという、まことに馬鹿馬鹿しいネタ。途中、関所を通るために芸事を披露するのだが、前回の独演会ではそれが紙切りやうしろ面(踊り)だった。今回の二枚扇の踊りは空中に扇を投げるところで落としたりと、まだまだぎこちなさがあった。これからもさらに芸を磨いてもらい、また十年後くらいに観てみたい。
それにしてもキッチュこと松尾貴史さんの高座は凄かった。NHK朝ドラ「ちりとてちん」にも出演され、落語に造詣が深いという噂は耳にしていたが、まさかこれ程までとは。テンポがいいし表情がコロコロ変わる。講釈の場面ではしっかり聴かせ、マクラもユニークで面白かった!恐れ入りました。キッチュは桂吉坊さんとの二人会@宝塚で「鷺とり」と「はてなの茶碗」二席を披露されたそう。う~ん、鬼才だ。
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コメント
こんばんは、ご無沙汰しております。
私もこの一月に、松尾貴史さんの『くっしゃみ講釈』を山本能楽堂で聴きました。
その折り、簡単に記事にしてますので、よろしければ。
仰るとおり、本当に素晴らしい高座でしたね。
天は二物を与えずといいますが・・・まさに「鬼才」だと思います。
投稿: 順ちゃんの夫 | 2010年10月30日 (土) 20時26分
あれぇ。繁昌亭ではプロの落語家以外は落語をやってはいけないんじゃなかったでしたっけ。
投稿: みこし | 2010年11月 5日 (金) 08時28分
問題ないみたいですよ。
投稿: 雅哉 | 2010年11月13日 (土) 18時57分