桂文我「柿ノ木金助」(其の二)/繁昌亭四周年特別公演
9月14日梅田・太融寺へ。
- 桂雀五郎/青菜
- 桂 文我/柿ノ木金助(其の二)
- 桂こごろう/へっつい盗人
- 桂 文我/風の神送り
幻の噺「柿ノ木金助」(其の一)を聴いた感想はこちら。前回のあらすじも文我さんは詳しく語られ、すっかり忘却のかなたにあった内容を想い出した。今回は旅先の冒険談みたいな感じでいまひとつ。後の展開を期待しよう。
こごろうさんは持ち時間が足りなかったのか「へっつい盗人」を半ばまで。「エッ、こんなところで終わり!?」と、もの足りなかった。
「風の神送り」は初めて。面白い噺ではないが、当時はこんな風習があったのかと興味深く聴いた。
翌15日は繁昌亭四周年特別興行へ。
- 笑福亭たま/陰陽師(たま 作)
- 林家染二/俥屋(いらち俥)
- 桂枝三郎/紙屑屋(天下一浮かれの屑より)
- 月亭八方/秘伝書
- 白浪五人男(三枝・春之輔・染丸・小枝・米団治)
- 姉様キングス(音曲漫才)
- 桂春之輔/まめだ
- 桂三枝/ぼやき酒屋(三枝 作)
たまさんはマクラを振らず、いきなり自作へ。彼の傑作「伝説の組長」「胎児」「ベルゼバブの蠅」ほどのパンチ力はない。
染二さんは「いらち俥」の前半部のみ。上手い人だが、このネタはオーバーアクトが鼻につく。too much.
枝三郎さんはハメモノ(音曲)に合わせて踊る場面の所作がなってない。荒い芸。
八方さんはローマに旅行したマクラから「秘伝書」へ。もっと大きなネタが聴きたかったけれど、記念イベントという趣旨だからこれも仕方ないか。
噺家が本格的な歌舞伎の格好をした鹿芝居「白波五人男」はすごく良かった!特に米團治さんは素が男前だけに、こういう扮装をさせると一段と華がある。またお客さんから一点ずつ物を借りて、それにかけて口上を述べる場面では、さすが三枝さんの機転が利き、お見事だった。
姉様キングスも抜群の面白さ。都都逸、ストトン節、「てん」尽くしの阿呆陀羅経など、てんこ盛り。
「まめだ」は1966年、三田純市が桂米朝に書き下ろした新作落語。数少ない秋の噺。
「ぼやき酒屋」は三枝さんの自作「にぎやか寿司」のバリエーションという感じ。常に一定の質以上の新作を200席以上、発表されてきたその姿勢には頭が下がる。
これで木戸銭2,500円は申し訳ないような充実した内容だった。
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