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心洗われる「田園」~延原武春/大フィルのウィーン古典派シリーズ II

いずみホールへ。

Nobu

日本テレマン協会を主宰し、バロック音楽の専門家でもある延原武春さんと大阪フィルハーモニー交響楽団ががっぷり四つに組む「ウィーン古典派シリーズ」全8公演、第2回目を聴く。シリーズ第1回目の感想はこちら

  • ハイドン/交響曲 第7番「昼」
  • モーツァルト/ホルン協奏曲 第1番(ホルン:池田重一)
  • ベートーヴェン/交響曲 第6番「田園」

今回の客演コンサートマスターは広響のコンマス、田野倉雅秋さん。ユーベル・スダーン率いる東京交響楽団の客演コンマスも務められているそう。

ハイドンはコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)として捉えられ、最前列にコンチェルタンテ(独奏)を受け持つ第1、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの奏者各1名、その後ろにリピエーノ(全奏)が控えるという配置。また第3楽章には珍しいコントラバスのソロもあり、アンサンブルの愉しさを満喫。

強弱のメリハリがくっきりした解釈で歯切れがいい。ソリスト以外は基本的にノン・ヴィブラート奏法。特に第2楽章アダージョ、音が真っ直ぐ伸びるピュア・トーンの美しさが際立つ。

モーツァルトは覇気がある演奏。硬いゴムボールが弾けるような解釈だった。

そして「田園」。作曲者自身が記したメトロノーム記号を遵守した、速めのテンポによる第1楽章から、その快活さに魅了される。田舎を散策する清々しさ!

第2楽章「小川の情景」もノン・ヴィブラートが効果的で、澄んだ水のような響きにため息が出る。厚化粧を落とした素顔のベートーヴェンがそこにいた。彼の肉声に耳をすますひと時。

第3楽章、農民たちの活き活きした踊りを経て、第4楽章「雷雨、嵐」。この楽章だけ登場するバロック・ティンパニが絶大な効果を上げる。パンチがある演奏。

そして第5楽章、生命の讃歌。音尻は溜めず、スッと減衰する潔さ。そのハーモニーの美しさに心洗われるようだった。

いつもとは、ひと味もふた味も違う大フィル。本当に素晴らしいシリーズである。次回は12月3日(金)の予定。

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コメント

雅哉さん、こんばんは。

私も聴きましたが、同じピリオドアプローチでも、指揮者次第でここまで変わるか、と思った次第です。

しかし、ベートーヴェンのメトロノームどおりで、8番の4楽章、どないになるやろ、弾けるんやろか、とちょっと心配したりします(笑)。

投稿: ぐすたふ | 2010年9月18日 (土) 00時01分

ぐすたふさん、コメントありがとうございます。

ヴィブラートを掛けなかったら、ベートーヴェンの8番も大丈夫でしょう……多分。今から愉しみです。

ところで12/8の大阪交響楽団定期はユベール・スダーンが登場します。スダーンのピリオド・アプローチが生で聴けるのも嬉しいですね。

「大阪の聴衆になる」と決意されたぐすたふさん、大阪交響楽団のコンサートへの復帰も首を長くしてお待ちしてますよ!

投稿: 雅哉 | 2010年9月18日 (土) 00時17分

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