大植英次/大阪フィル「青少年のためのコンサート 2010」
NHK大阪ホールへ。
大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏で、第8回となる「青少年のためのコンサート」。今年のテーマは ~シンフォニック・サウンド in スポーツ~
会場には多くの中高生たちが詰めかけていた。
曲目は、
- ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲より”スイス軍隊の行進”
- メンデルスゾーン/交響曲第4番「イタリア」より第1楽章
- アンダーソン/トランペット吹きの休日
- R.シュトラウス/ホルン協奏曲 第1番より第1楽章
- ビゼー/歌劇「カルメン」前奏曲
- ティルザー/私を野球に連れてって
- 古関裕而/六甲おろし
- シュニトケ/タンゴ
- チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」より”花のワルツ”
- ホルスト/組曲「惑星」より”木星”
- ヴァンゲリス/炎のランナー
- コープランド/バレエ音楽「ロデオ」より”ホーダウン”
- ヴェルディ/歌劇「アイーダ」より”凱旋行進曲”
- エルガー/威風堂々 第1番(アンコール)
まずアーチェリーに関連した「ウィリアム・テル」序曲。この曲は大植さんの恩師レナード・バーンスタインがアメリカCBSでテレビ放送された"Young People's Concert"で取り上げた楽曲でもある。レニーが客席の子供たちに向かって「この曲は何か分かるかい?」と問うと、一斉に「ローン・レンジャー!」という答えが返ってきたのが印象的であった。1949-1958年にテレビ放送された西部劇のテーマ。弦の刻みが小気味よい。
「イタリア」は自転車レースをテーマにしたアメリカ映画「ヤング・ゼネレーション」(BREAKING AWAY,1979)で使用された。燦々と降り注ぐイタリアの陽光。新鮮で軽やか。第1主題は勢いがあり、第2主題は歌心に満ちていた。
ワクワク感ある「トランペット吹き」を経て、R.シュトラウスは現在、京都市内の高校2年生である山本愛沙子さんがホルン・ソロを務めた(使用楽器は”アレキサンダー”)。彼女は中学1年生の時、吹奏楽部でホルンに出会ったそうで「その形が好きになりました。シルエットが可愛いんです!」と。今回の起用については「お話を頂いたときから長い夢を見ているようでした。明日から現実に戻ります」彼女は大フィルの村上哲さんに師事しており、今回先生は出演せずに客席で彼女の演奏を聴いていた。
「カルメン」前奏曲は野球映画「がんばれ!ベアーズ」(THE BAD NEWS BEARS,1976)に使用された。
大リーグでホームチームが7回裏の攻撃に入る前に観客全員で歌う「私を野球に連れてって」はプログラムに英語歌詞と楽譜が添付されており、客席も歌った。「これでは休憩に入れませんね!」と大植さん。そしてプログラムに記載がなかった「六甲おろし」へ。聴衆は全員立ち上がり、大フィルの伴奏で斉唱。コンサートマスターの長原幸太さんは広島県呉市出身なので、ここでおもむろに広島カープの帽子を被り、弾いていた。
シュニトケの「タンゴ」は映画音楽。2010-2011年のシーズンに浅田真央選手がフィギュアのショート・プログラムで使用予定だそう。チェレスタで始まり、それがヴァイオリン・ソロに受け継がれ全体の合奏へ。最後はヴァイオリン・ソロからチェレスタに手渡され、シンメトリーな構造を持った素敵な小品であった。
「花のワルツ」はゴルフ場を舞台に展開されるコメディ映画「ボールズ・ボールズ」(CADDYSHACK,1980)で使用されたそう。開放感とロマン漂う演奏。
「木星」は2007年世界陸上大阪大会でサラ・ブライトマンが歌った「ランニング(ジュピター~栄光の輝き)」の原曲。大植さんらしい、変幻自在なテンポであった。
オリンピック選手を主人公にしたアカデミー作品賞・作曲賞受賞作「炎のランナー」を経て、「ロデオ」は弾けるリズムと躍動感が魅力的。
そしてアイーダ・トランペットが6本登場して華やかな「凱旋行進曲」と、アンコールで「威風堂々」というサッカーに因んだ音楽が並び、パワフルで推進力のある演奏を聴かせ〆となった。中々充実したコンサートだった。
| 固定リンク | 0
「クラシックの悦楽」カテゴリの記事
- 映画「マエストロ:その音楽と愛と」のディープな世界にようこそ!(劇中に演奏されるマーラー「復活」日本語訳付き)(2024.01.17)
- キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィル in 姫路(2023.11.22)
- 原田慶太楼(指揮)/関西フィル:ファジル・サイ「ハーレムの千一夜」と吉松隆の交響曲第3番(2023.07.12)
- 藤岡幸夫(指揮)ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 再び(2023.07.07)
- 山田和樹(指揮)ガラ・コンサート「神戸から未来へ」@神戸文化ホール〜何と演奏中に携帯電話が鳴るハプニング!(2023.06.16)
コメント