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2010年9月 1日 (水)

生誕200年 手紙と演奏で紡ぐ/ ロベルト-クララ、シューマン愛の軌跡

いずみホールで秋から冬にかけて開催される「シューマン 2010」の全6公演プレミアム・セット券を購入したら、今回の招待券が付いてきたので行ってみた。

Schuman

出演は熊本マリ(ピアノ)、石田純一(朗読)。

まず第一部ではロベルト・シューマン作曲「子供の情景」(含む「トロイメライ」)が演奏され、その合間にロベルトとクララの書簡が朗読された(出会いから結婚まで)。

第二部は《作曲家たちの恋愛模様》と題され、ふたりのトークと共に以下の曲が演奏された。

  • ショパン/ノクターン 第20番 遺作
  • ブラームス/間奏曲 作品118-2
  • シューマン(リスト編)/献呈
  • シューマン/ウィーンの謝肉祭の道化芝居「幻想的情景」
  • シューマン/「3つのロマンス」より第2曲(アンコール)

ふたりが初めて出会ったのがロベルト18歳、クララ9歳の時という事実に驚いた。クララの父フレドリック・ヴィークによる数々の嫌がらせ、妨害工作にめげず、裁判にまで訴えて結婚に至ったのがロベルト30歳の年であった。

後にシューマンの前に現れたブラームスが生涯、クララに想いを寄せていたことは有名だが(ブラームスは独身を通した)、クララは14歳年長であった。なんとブラームスの母は父より17歳も年上だったそうで、「これは遺伝ではないか」という話が面白かった。

ブラームスの間奏曲は彼が60歳の作品で、青春の頃の情熱を懐かしむような、クララへの想いが満ちた楽曲である(実際、クララに献呈されている)。

はっきり言って石田純一の恋愛談義はどうでもよかったが、熊本マリさんの演奏が良かったし、シューマンという作曲家がより身近に感じられるようになった。

現在、ロベルト・シューマン後半生における数々の神経症状、行動異常は脳梅毒が原因であることが判明している。そのあたりについては今回一切触れられなかったが、まぁ、会の趣旨から考えれば当たり前か。

ロベルトの晩年、精神病院で書かれた彼の作品や手紙はクララの手で破棄されたという。作曲家としてのロベルトの名誉を、彼女は必死で守ろうとしたのだろう。

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コメント


前洛南顧問
宮本先生がお亡くなりなりました

ご冥福をお祈りします

投稿: 匿名 | 2010年9月 1日 (水) 18時22分

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