笹本玲奈 復帰!/ブロードウェイ・ミュージカル「ピーターパン」
日本一のミュージカル男優といえば市村正親さんだろう。現在61歳。もう色々な役が年齢的にきついが、若い世代で市村さんを越えるスターはいまだにいない。
では一押しのミュージカル女優は?と問われたら、僕は躊躇することなく笹本玲奈(25)と答える。
彼女の舞台で今まで観たことがあるのは「屋根の上のバイオリン弾き」のチャヴァ、「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ、「ミス・サイゴン」(東京)のキム、 「ミー&マイガール」(東京)のサリー、「マリー・アントワネット」のマルグリット、そして「ウーマン・イン・ホワイト」のマリアン役である。特に「ミーマイ」は宝塚版を含め、僕にとってベスト・サリーであった。
梅田芸術劇場へ。
ミュージカル「ピーターパン」は1904年にロンドンで初演され、1954年ブロードウェイに渡り「ウエストサイド物語」のジェローム・ロビンス振付・演出で上演された。この時、本格的なフライング(空中遊泳)が取り入れられた。
日本ではホリプロが1981年に初演。主演は榊原郁恵であった。
そして5代目のピーターパンが笹本玲奈。彼女は1998年から2002年まで演じ、今回日本での上演30周年を記念して8年ぶりの復帰となった。
僕はブロードウェイ版をNHKのテレビ放送で観ているが、生の舞台は初めて。
いやぁ~ショートカットでボーイッシュな玲奈ちゃん、むちゃくちゃ可愛かった!びっくりした。いまでもピーターパンがピッタリ。さすが当たり役。彼女は舞台の上で生き生きと、輝いていた。
フライングのワイヤーはピーターパンだけ2本で、他の子供たちは1本。その分ピーターパンの飛行は高速で、生で見ると迫力満点。特に空中でくるくる回転しながら歌う場面は本当に凄いなと想った。
フック船長役の橋本じゅんがコミカルな演技で好演。客席の子供たちは大笑い。ウェンディ役の神田沙也加も良かった。今度、彼女が出演する「ファンタスティックス」も愉しみだ。
100年間愛され、世界中で上演されている作品だけに音楽が素晴らしい。アンサンブル全体の質も高く、ウェル・メイドな名作だなとつくづく感心した(トニー賞授賞式における名曲"I'm Flying"のパフォーマンス映像はこちら)。
笹本玲奈・最後のピータパンということで、カーテンコールで彼女が客席に向かってフライングするところで、舞台上の神田沙也加が感極まって泣き出した。それを見た僕も不覚にも、もらい泣き(二人の写真が公式ブログにアップされている→こちら)。彼女のピーターパンが観れて本当によかった。Theatergoer(芝居好き)であることの幸せを噛み締めたひと時であった。
余談だが、大地真央さんが「マイ・フェア・レディ」から今年限りでようやく降板されることが発表された。是非、イライザ役の後任は笹本玲奈に!ここらで一気に若返りしましょうよ。
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