映画「ノルウェイの森」の色彩
トラン・アン・ユン監督(ベトナム出身)の「ノルウェイの森」(出演:松山ケンイチ、菊池凛子ほか)は今年9月1日に開幕するヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されることが決まった。
まことに喜ばしいことであるが、果たして金獅子賞を受賞できるのか?と考えると心もとない。何故なら今年の審査委員長がクエンティン・タランティーノだからである。犯罪と暴力を描くB級ものを愛するタラちゃんが、果たして恋愛映画「ノルウェイの森」をきちんと評価してくれるのだろうか……。ちなみに彼がカンヌで審査委員長をした年のパルム・ドールが「華氏911」(マイケル・ムーア監督が反ブッシュ政権の狼煙を上げたドキュメンタリー)で、グランプリが韓国の「オールド・ボーイ」、男優賞が「誰も知らない」の柳楽優弥だった。タラちゃんの好みがしっかり反映されている。
さて、先日映画館で「インセプション」を観た際に、「ノルウェイの森」特報が流れたので狂喜乱舞した。映画公式サイトにも既にアップされている→こちら。まず目を奪われるのは圧倒的「緑」の美しさ。グリーンは小説下巻のカバーにも使用されており、映画の基調色となるであろうと予想される。では上巻の「赤」はどうだろう?……それは本編を観るまでのお楽しみとしよう。撮影監督は名手リー・ピンビン(「夏至」「花様年華」「空気人形」)。これは期待出来る。
また、特報で既にビートルズのオリジナル音源が使用されているのも嬉しかった。
調べてみると、兵庫県の砥峰(とのみね)高原・峰山高原が映画の主なロケ地となったようである。なお原作者の村上春樹さんは京都市に生まれ、ほどなく父親の転勤で引越し、兵庫県西宮市・芦屋市に育った。
よし、兵庫県なら近くだから近いうちに一度、砥峰・峰山高原に行ってみよう!
- 監督・プロデューサーらへの質疑応答(映画化に至るまでの詳しい経緯)
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