笑福亭松喬 夏の一門会/林家染二 原点回帰・最終回スペシャル
繁昌亭へ。8/21(土)「笑福亭松喬 夏の一門会」
- 笑福亭生寿/子ほめ
- 笑福亭遊喬/遊山船
- 笑福亭三喬/次の御用日
- 笑福亭松喬/住吉駕籠
「次の御用日」で三喬さんは住友の浜を図解入りで説明してくれたのが良かった。そうだったんだ!と、目から鱗。また「アッ!」の繰り返しがギャオスかはたまたラドンか、怪鳥の鳴き声みたいで面白かった。ただ丁稚の可愛らしさはやはり師匠の松喬さんの方が一枚上手かな。
もうすぐ4周年を迎える繁昌亭で松喬さんが「住吉駕籠」を掛けるのはこれが初めてなのだそう。長講なので酔っ払いが登場する場面で切られることが多いが、松喬さんはきっちり駕籠の底が抜け八本足で歩く最後まで。愛嬌があって見事な高座。吃音で喋る人物を登場させキャラクターを際立たせ、またこの人は”アホ”の描き方が上手い。歯を見せて”ニカッ”と笑うのは、恐らくテクニックなのだろう。
翌8/22(日)は「林家染二 原点回帰」
- 桂福丸/たぬさい
- 林家染二/軽業講釈
- 笑福亭松之助/高津の富
- 林家染丸/金明竹
- 林家染二/南瓜屋
福丸さんは入門3年未満の新人なのだが、マクラから客のつかみ方が本当に巧み。心地よい口調でリズム感が抜群。
沢山の高座を聴くようになリ分かってきたのは、落語家のピークは50~60歳代あたりだなということ。それを越えると”老い”を感じるようになる。言葉に勢いがなくなり、発音が不明瞭になってくる。松之助さんは85歳。それでも、まだまだお元気だ(水泳もされているという)。淡々とした味わいがあった。
「南瓜屋」は江戸の「唐茄子屋政談」(詳しい物語は→こちら)。所詮人情噺なので、特に後半が面白くない。というかプロットが強引で無理がある。貧しい母子から店賃を奪っていった大家を主人公の若旦那が殴り、長屋の者も加勢する。しかし、借家料を払ってない方が悪いと想うのは僕だけだろうか?まるで集団ヒステリー(暴徒)である。大家に非はないのに、最後は裁きを受けるなんて余りにも理不尽。
染二さんのハイ・テンションな「軽業講釈」は今まで聴いた中でベストというくらい絶品だった。下座から聞こえる軽業興行の賑わい(ハメモノ)と、講釈が渾然一体となり最高潮に達する場面は上方落語の真骨頂と言えるだろう。
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