大阪でパリ祭/「フランス語で歌う シャンソン」2010
7月14日はパリ祭である。
その前日の13日夜、大阪倶楽部へ。日本テレマン協会のマンスリーコンサートがあった。
まず、延原武春/テレマン・アンサンブルの演奏で、
- F.クープラン/コンセール小曲集より(弦楽合奏編曲版)
古(いにしえ)の響き。
続いて浜野りささんによるピアノ独奏で、
- フォーレ/舟歌 第4番
- ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女、月の光
- プーランク/エディット・ピアフをたたえて
特に、歌や人生に想いを馳せるようなプーランクが良かった。プーランクには「愛の小経」という美しいシャンソンもある。
そして泉 由香さんの独唱で、
- ドビュッシー/ビリティスの3つの唄(パンの笛/髪/ナイアードの墓)
語るような歌。それはまるで「幻夜」と呼びたくなるような世界であった。
そして第1部最後は浅井咲乃さんのヴァイオリン独奏で、
- ラヴェル/ツィガーヌ
休憩を挟み第2部はシャンソン特集。中津洋子さんと永野 孝さんが交互にヴォーカルを務め、バックはピアノ、ベース、ドラムのトリオに加え、延原/シンフォニエッタ・TELEMANN(テレマン・アンサンブル)が担当した。フランス語で歌われ、歌詞の内容はスライドで映し出される。
- シェルブールの雨傘
- セ・シ・ボン
- 私の孤独
- ラ・メール
- ある愛の詩
- パリの空の下
- 聞かせてよ愛の言葉
- 幸福を売る男
- 残されし恋には
- 行かないで
- バラはあこがれ
- 水に流して
- そして今は
- ベローナに行こう
シャンソンって「愛」(amour)とか「バラ」(rose)とかいった言葉が多いなと想った。「ベルサイユのばら」もあったな……まぁあれは、日本の少女漫画だけど。でも「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ監督の手で一応映画化された。実際にベルサイユ宮殿でロケされたのに全編英語で原題は"Lady Oscar"。結局フランス本国では公開されなかったという、けったいな映画(作曲はミシェル・ルグラン)。閑話休題。
アンコールは「巴里祭(巴里恋しや)」。カナをふられた歌詞が配られ、聴衆も一緒に歌った。
シャンソンを聴いていると、なんだか幸せな気持ちになってくる。「うた」の愉しさを満喫した夜だった。
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