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2010年7月30日 (金)

東野圭吾と「白夜行」映画化

東野圭吾のミステリー小説は13冊ほど読んでいる。

中でも僕がとりわけ傑作だと想うのは「白夜行」(1999年刊)。直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」(2006)はそれほど面白いとは想わない。「白夜行」は直木賞候補になったが、あの時点で受賞させていれば、少しは直木賞のことを見直したのに(「容疑者…」では遅きに失した感は否めない)。

小説「白夜行」の何がすごいって、主人公ふたりの感情を全く描写しないこと。”雪穂”と”亮二”の行動は常に第三者の目から語られ、彼らが何を考えているのかは読者の想像力に委ねられる。そこにはある意味、宮部みゆきの「火車」にも通じる、作者の卓越した技巧が感じられる。

そして東野圭吾は明言していないが、実質的に「幻夜」(2004)は「白夜行」の続編と言えるだろう。この小説のヒロイン”美冬”と「白夜行」の”雪穂”が同一人物であることを匂わせる記述が、そこかしこに仕組まれている。彼女の人生をリセットする装置が阪神大震災というわけ。

「白夜行」は2009年に韓国で映画化され(日本には来ないのだろうか?)、現在日本版も製作進行中。”雪穂”を演じるのは掘北真希である。公開は2011年の予定。

そして「幻夜」は今年11月にWOWOWのドラマWの枠で放送が決まっている。ヒロインは深田恭子が演じるらしい(詳細はこちら)。

そうか、掘北真希が後にフカキョンになるのか……。何となく奇妙な感じはするし、一抹の不安がないではない。しかし、ふたりとも好きな女優さんなので、どちらも愉しみに待ちたいと想う。

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