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2010年7月31日 (土)

月亭八方「算段の平兵衛」/八方会(7/30)

月亭八方さんが席亭を務める、大阪・福島の寄席小屋「八聖亭」へ。木戸銭2,000円也。満席。

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  • 月亭八方/ごあいさつ~秘伝書
  • 桂三風/テレショップパニック(三風 作)
  • 月亭八方/算段の平兵衛

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仲入りなし、18時半開演で20時過ぎには終演した。

八方さんはまず、客からのリクエストで今絶好調の阪神タイガースについて語られた。「首位に立った時期が早過ぎるんじゃないかとの声をちょくちょく耳にします。巨人が不気味だと」「阪神があんまり強いとネタにならないんです」弱くてボロボロだからこそ、そこに笑いが生まれると。成る程、そうかも知れない。

子供の頃、お祭りの夜店が愉しかったという想い出から「秘伝書」へ。マクラとネタの境界が判らないくら自然な入り方で、さすがの上手さ。八方さんの「鉄砲勇助」も同様の味わいがある。

三風さんは「客席参加型」で。

そして八方さんの十八番「算段の平兵衛」でトリ。

前回、八方さんで聴いた時は、按摩の徳さんが算段の平兵衛をゆすりにかかるところで「残念ながらお時間です」と切られたが、今回は「この続きを語ると、あと八時間半掛かってしまいます。『算段の平兵衛』前編でございました」と終わった。また、庄屋の妾”お花さん”が何の未練もなく平兵衛と夫婦になる場面では沢尻エリカや酒井法子の名前が飛び出し、実に説得力がある工夫だった。

算段の平兵衛」を再創造されたのは桂米朝さん。米朝さんのマクラに次のような逸話が登場する。昔大阪には「こなから」という言葉があった。漢字で書くと「小半」。お米一升の半分を「なから」と言い、さらにその半分、二合半のこと。「にごうはん」つまり、「二号はん=おてかけさん(おめかけさん)」を意味する隠語であったという。

算段の平兵衛」は算段の報酬として二十五両が何度か支払われる。つまり百両の四分の一。これも「こなから」と連動しているのではないかというのが僕の推論なのだが、どうだろう?

例えばやはり米朝さんが復活させた噺「はてなの茶碗」の最後に”十万八千両の金儲け”というフレーズが出てくる。これは人間の煩悩の数108(除夜の鐘と同じ)の倍数になっている。落語って、奥深いなぁ。

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