大阪交響楽団に快哉を叫ぶ
児玉宏さんが音楽監督に就任以降、ブルックナーの演奏で文化庁芸術祭「大賞」を受賞するなど、大阪交響楽団の躍進には目を瞠るものがある。
つい先日発表された来年度の定期演奏会、および名曲コンサートのプログラムにも痺れた。
名曲コンサートにライネッケ!見たことも聞いたこともない作曲家である。定期ではミャスコフスキー、プフィツナー、グラズノフ、ヘンゼルトなど面白そうな名前がずらりと並ぶ。未知なる音楽への旅。ワクワクするではないか。
それに引き換え情けないのが、今年の大阪フィルハーモニー交響楽団定期の体たらくぶり。選曲が完全に守りに入っていて、冒険心の欠片もない。
府からの補助金が全額カットされ、大フィルの台所事情は厳しい。大阪センチュリー交響楽団が今後どうなろうと知ったことではないが、大フィルまで共倒れになっては困る。大植英次という指揮者に惚れ、この3年間、僕は欠かさず大フィル定期に通い、ブログに感想を書き、微力ながら支えて来たつもりである。星空コンサートだって皆勤した。しかし今年のラインアップを見て、心が折れた。そろそろ潮時かも知れない。
そこで次のような記事を書いた。
そうしたら何と、このリストに載せた矢代秋雄/ピアノ協奏曲が下野竜也さんの指揮で来年の大阪交響楽団定期に取り上げられているではないか!どうして大フィルの時は下野さんも保守的な選曲なのか……。
そこで僕は決心した。もし来シーズンの大フィル定期に今年のような陳腐な曲が並ぶのなら、もうこのオケを見限ろうと……そうしなくて済むよう、魅力的なラインアップをよろしくお願いしますね。
僕たちが大植さんで聴きたいのはベートーヴェンやブルックナーなんかじゃない。マーラー、ツェムリンスキー、プフィツナー、シュミット、コルンゴルトなど、濃密な後期ロマン派の音楽をもっと振って欲しいのだ。
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コメント
雅哉さんのお気持ちはよおおおおく理解出来まするが・・・・・ここはひとつ、大フィルのためを思って温かい気持ちで見守っていただければと思いまする。
以上、ひとことお願いでございました。
投稿: ぐすたふ | 2010年6月22日 (火) 22時00分
ぐすたふさん、コメントありがとうございます。
別に僕たちは音楽が好きだから演奏会に足を運ぶわけで、篤志家でもなければ後援者でもありません。オケがこちらの要望に応えられないのであれば、残念ではありますがロング・グッドバイするしかありません。
でも本文で書きましたように今シーズン限りは大フィルに最後まで付き合います。後は来期の内容次第ですね。
それにしても気になるのは大阪センチュリー交響楽団の動向です。橋下知事が当初考えていた大フィルとセンチュリーの合併の線は、未だに可能性が残されている気がします。こちらの産経の記事に書かれているように、6月28日に開催される財団の理事会でセンチュリーの存続か、解散かがいよいよ決まるみたいですね。その動向によっては大フィルも無関係では済まされないでしょう。
投稿: 雅哉 | 2010年6月23日 (水) 00時47分