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ウィーン・フィルが「スター・ウォーズ」!?/大フィル定期で聴きたい曲

驚天動地のニュースが飛び込んできた。何と、天下のウィーン・フィルがウェルザー=メスト(今年9月より、小澤征爾の後任としてウィーン国立歌劇場音楽監督に就任)の指揮で、「スター・ウォーズ」を演奏するというのである!!詳細は→こちら

それにしても、凄い時代になったものである。20世紀には絶対考えられなかった大事件だ。

僕は昨年、こんな記事を書いた。

ウィーン・フィルは来日公演でニーノ・ロータを取り上げたが、ロータは既に故人であった。まさかジョン・ウィリアムズの目が黒いうちにこんなことが実現しようとは……。

映画音楽がちゃんとしたコンサート用の楽曲として認められたわけで、こんな喜ばしいことはない。日本のオケも今後、積極的にこのジャンルに目を向けて貰いたいものである。それは間違いなくファン層の拡大に繋がるし、集客にも結びつくだろう。

ところで今シーズン、大阪フィルハーモニー交響楽団・定期演奏会の保守的なプログラムが物議を醸している。

しかし批判するだけでは何も生まれない。そこで僕ならこんなオーケストラ曲が生で聴いてみたいという具体例を示したいと思う。

今までの大フィル定期の内容を見ると、余りにも20世紀以降のレパートリー(12音技法や無調音楽を除く)が欠落しているのではないか?という気がして仕方がない。そこで映画音楽を含め、列挙していきたい。

まず、日本の作曲家から。邦人作品を取り上げないオケは「日本の文化」と呼べない。

  • 芥川也寸志/交響三章「トリニタ・シンフォニカ」、
    エローラ交響曲
  • 黛敏郎/涅槃交響曲、曼荼羅交響曲
  • 伊福部昭/シンフォニア・タプカーラ、日本組曲
  • 早坂文雄/ピアノ協奏曲、古代の舞曲、
    左方の舞と右方の舞、交響的組曲「ユーカラ」
  • 武満徹/ノヴァンバー・ステップス(これに限らず、何でも)
  • 矢代秋雄/交響曲、ピアノ協奏曲
  • 三善晃/レクイエム
  • 吉松隆/交響曲(どれでも)、ギター協奏曲「天馬効果」、
    ピアノ協奏曲「メモ・フローラ」、サイバーバード協奏曲
  • 久石譲/交響的変奏曲"Merry-go-round"
    (「ハウルの動く城」より)
    オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」

オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」はナレーターを要するので、例えば武満徹「系図(ファミリー・トゥリー)」~若い人たちのための音楽詩と組み合わせても面白いかも。早坂文雄は映画「羅生門」「七人の侍」の音楽で有名。

データベースを調べてみると、過去に大フィルは黛敏郎伊福部昭を一度しか取り上げたことがないようだ。武満徹は何度か演奏されているが、「ノヴァンバー・ステップス」は皆無である。芥川也寸志、早坂文雄、矢代秋雄もない。

20世紀イタリアを代表する作曲家ならニーノ・ロータとエンニオ・モリコーネにトドメを刺す。

  • ニーノ・ロータ/バレエ音楽「道」

スペイン

  • マヌエル・デ・ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」「恋は魔術師」
    交響的印象「スペインの庭の夜」(準 ピアノ協奏曲)

イギリス

  • マルコム・アーノルド/交響曲(どれでも)
  • エドワード・エルガー/オラトリオ「ゲロンティアスの夢」
  • フレデリック・ディーリアス/「丘を越えて遥かに」「夏の庭で」「夏の歌」「楽園への道」「海流」「日没の歌」「別れの歌」など
  • ウィリアム・ウォルトン/交響曲 第1番、2番
  • マイケル・ナイマン/ピアノ協奏曲(映画「ピアノ・レッスン」より)

フランス

  • フランシス・プーランク/ピアノ協奏曲、
    オルガン・弦楽とティンパニのための協奏曲
  • ジャン・フランセ/クラリネット協奏曲、チェンバロ協奏曲
  • オリヴィエ・メシアン/トゥーランガリラ交響曲
  • ミッシェル・ルグラン/交響組曲「シェルブールの雨傘」「恋」

ルグラン「恋」は立派なピアノ協奏曲である。そして美しい!お洒落で軽妙洒脱なプーランクピアノ協奏曲こそ最高傑作だと僕は信じて疑わない。データベースを見ると大フィルは過去にオルガン・弦楽とティンパニのための協奏曲と、2台のピアノのための協奏曲を取り上げたことはあるが、ピアノ協奏曲は一度もない。

ロシア

  • セルゲイ・プロコフィエフ/アレクサンドル・ネフスキー
  • アラム・ハチャトゥリアン/交響曲 第3番
  • ドミトリー・カバレフスキー/交響曲(どれでも)
  • ヴァシリー・カリンニコフ/交響曲 第1番、2番

ちなみにカバレフスキーのシンフォニーは大植英次さんが北ドイツ放送フィルで全曲レコーディングされている。「道化師のギャロップ」は小学校の運動会でも使用される有名曲。カリンニコフは19世紀末の作曲家。

アメリカ

  • アーロン・コープランド/クラリネット協奏曲、
    バレエ音楽「ロデオ」「アパラチアの春」
  • ハワード・ハンソン/交響曲 第2番「ロマンティック」、
    ディエス・ナタリス
  • バーナード・ハーマン/映画「サイコ」組曲
    (弦楽合奏のための)
  • レナード・バーンスタイン/映画「波止場」交響組曲
  • ジョン・ウィリアムズ/トランペット協奏曲、チューバ協奏曲
  • ハワード・ショア/交響組曲「ロード・オブ・ザ・リング」

アルゼンチンはやっぱりタンゴでしょう。

  • アストル・ピアソラ/バンドネオン協奏曲、
    プンタ・デル・エステ組曲

チェコ、プラハ生まれでアメリカ在住の作曲家の代表作も挙げておこう。

  • カレル・フサ/プラハのための音楽1968

これは元々、吹奏楽曲として作曲されたが、ジョージ・セルの依頼で管弦楽に編曲されたもの。ソ連軍に蹂躙された「プラハの春」を題材にしている。

ポーランド

  • ヘンリク・グレツキ/交響曲 第3番「悲歌のシンフォニー」

ハンガリーからは敢えて、バルトークを外して、

  • ミクロス・ローザ/ヴァイオリン協奏曲 第2番

ミクロス・ローザ(ロージャ・ミクローシュ)は戦火を避けハリウッドに渡り、映画「ベン・ハー」や「白い恐怖」でアカデミー作曲賞を受賞。ヴァイオリン協奏曲は大フィルのコンマス・長原幸太さんが尊敬するヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツが初演した名曲。後にビリー・ワイルダー監督の映画「シャーロックホームズの冒険」に流用された。

ドイツ、オーストリアの作曲家からは、

  • ツェムリンスキー/抒情交響曲、交響詩「人魚姫」
  • アルノルト・シェーンベルク/グレの歌
  • クルト・ワイル/交響曲第1番、2番、七つの大罪
  • フランツ・シュミット/オラトリオ「七つの封印」
  • エーリヒ・W・コルンゴルト/交響曲、ヴァイオリン協奏曲

「グレの歌」は1990年大フィル定期で演奏されているが、そろそろ再演されてもよいのでは?信じ難いことだが、ツェムリンスキーはどうやら一度も取り上げられたことがないみたい。

ワイルは「三文オペラ」で有名。ウィーンでのオペラ作曲家として名を馳せたコルンゴルトはハリウッドに渡り、映画「風雲児アドヴァース」「ロビン・フッドの冒険」でアカデミー作曲賞を受賞した。

思い付くままに書き綴ってきた。読者の皆さんも、ご意見があればどしどしコメント欄にお書き下さい。

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