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2010年6月14日 (月)

月なみ(^o^)九雀の日(6/13)/チェーホフで落語??

堺市「ザビエル寄席」の後、電車を乗り継いで豊中市立伝統芸能館へ。

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九雀さんの会。自由料金制(お代は見てのお帰りに)。60人くらいの大入り。

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  • 桂   弥生/煮売屋
  • 桂   九雀/後家の本心
  • 月亭遊方/干物箱
  • 桂  九雀/釜盗人

吉弥さんの二番弟子・弥生さんを聴くのはこれが4回目(どれだけファンやねん!?)。演目は「東の旅・発端」(初高座)、「子ほめ」、「狸賽(たぬさい)」、そして今回の「煮売屋」。なんと全て違う。まだ入門して半年に満たないのにすごい。来月彼女は動楽亭昼席に出演するのだが、もしかしたら5日間全部ネタを変えるつもりなんだろうか??

後家の本心」はロシアのチェーホフ誕生150年記念にちなみ、東京のシアターX(カイ)で開催された「ちぇほふ寄席」のためにチェーホフ原作「熊」を九雀さんが上方落語に直したもの。ところがこの「ちぇほふ寄席」、なんとノーギャラだったそう!それを会当日になって知らされたという。交通費+宿泊代しめて32,490円、自腹を切った九雀さん。何とお気の毒な……。もう二度と高座に掛けるつもりはないそうで、憶えているうちにと今回特別に聴かせて下さった。貴重な体験をさせてもらい、とても嬉しかった。

噺の冒頭に「小犬を連れた貴婦人」(落語版では女衆=おなごし)が登場したりして、成る程チェーホフ・トリビュートに仕上がっている。その後は立川談志さんの言うところの「落語とは人間の業の肯定である」的展開に。中々良かった。これが今後、封印されてしまうのは惜しい気がする。ただ確かに笑いは少ないので、繁昌亭に掛けたりするのは難しいかも。

新作派の遊方さんが古典をされるのは珍しい。2年ほど前にこの会に出演された時は「はてなの茶碗」をされたとか。「干物箱」自体初めて聴いたし、すこぶる面白かった。遊方さんは古典もいかしてることを再認識。

トリで再登場した九雀さん、マクラで「盗人の噺をします」と仰ったので、「オッ、これは繁昌亭でも大評判だった噂の『A型盗人』(小佐田定雄 作)か?」と期待したら、別のネタだった。

釜盗人」はWikipediaで落語作家・小佐田定雄さんの脚色に分類されている。また、調べてみると2006年に小佐田+九雀による「落語の定九日」@雀のおやどでこのネタが演じられているので、Wikiの記述は多分事実なのだろう。初めて聴いた。へぇ、こんなのもあるんだ。九雀さんは二席とも、眼鏡を掛けて (JAZZ型で)演じられた。

上方落語って奥深いなぁと感じる、今日この頃でございます。

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コメント

「ちぇほふ寄席」行ってきました。その日の舞台でおっしゃってた「ノーギャラ発言」は本当だったんですね。お客さん、よく入ってましたよ。なんでノーギャラなんでしょう?

投稿: おたべ | 2010年6月16日 (水) 17時31分

おたべさんはもしかしたら関東の方なのでしょうか、それともわざわざ大阪から?

それにしてもアマチュアならともかく、プロにボランティアで依頼し、しかもその条件提示を最初にしないという主催者の姿勢は如何なものでしょうか?

東京の噺家はともかく、大阪から出向かれた九雀さんと浪曲の春野恵子さんが気の毒です。

詳しい顛末は最新の九雀月報に書かれています。

投稿: 雅哉 | 2010年6月16日 (水) 21時24分

大阪在住ですが、休んで見に行きました。二度と見られない可能性もあったので。他の落語家さんも難しい素材をうまく料理しておられました。
ただ浪曲版「かもめ」は、やはり難しかったですね。もとが大作すぎて25分に縮めたら、何が何だかわからなくなってしまいました。
やはりそのままやるのではなく翻案でないとつらいですね。

投稿: おたべ | 2010年6月22日 (火) 22時58分

おたべさん、わざわざ大阪から東京まで出向かれたんですね!恐れ入りました。

落語でチェーホフをするというのは斬新な企画ですから、こういう面白いことは大阪でも試みられたらいいですね(勿論、ノーギャラではなく)。

投稿: 雅哉 | 2010年6月23日 (水) 00時27分

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