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「桂雀々独演会」から「満腹全席」(文三、よね吉)へ

5月30日(日)、大丸心斎橋劇場へ。

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「桂雀々独演会」二日目を聴く。チケットは早々に完売。僕はキャンセル待ちで入手した。

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  • 桂  優々/普請ほめ
  • 桂  雀々/手水廻し
  • 桂まん我/野崎詣り
  • 桂  雀々/口入屋
  • 桂  雀々/一文笛(米朝 作)

雀々さんの一番弟子・優々さんは、明るい笑顔とはっきりした口跡がいい。将来が愉しみ。二番弟子・鈴々さんは今回お茶子。枝雀一門初の女性である。

手水廻し」は”手水(ちょうず)”という言葉の繰り返しが心地よいリズムを生み、JAZZのような高座。漫画チックな演出が愉しく、特に田舎から大阪にやって来た二人連れが、目の前に本物の手水を出された際のときめき感がお見事!若手が演り過ぎて一時期繁昌亭で禁止令が出されていた前座噺が、とても新鮮に聴けた。

今年50歳になる雀々さん。「地獄八景亡者戯」を口演し、全国50ヶ所をまわるという企画があるそう。初高座は33年前、16歳の時。途中で続きが思い出せず、頭が真っ白になった(逆にお客さんに「エッ、うそぉ」と緊張感が走った)エピソードなども語られた。

枝雀師匠の十八番だった「口入屋」は、「昼まま」の出囃子で雀々さん登場。女三人寄ればかしましいというマクラで、「言葉の暴走族」という表現が面白い。ある昼下がり、師匠と一対一で向き合い「ボウフラが水害に遭ぉたよぉな恰好」の稽古をした時のエピソードには場内爆笑。また番頭が女衆(おなごし)に向かって長々とひとり喋り続ける場面では、息継ぎ(ブレス)を極端に少なくしスピード感を出す。これぞ枝雀一門のお家芸!

桂米朝さんの新作落語「一文笛」の演出には以前から引っかかっている箇所があった。スリを稼業とする主人公の家に、その業界から足を洗った兄貴分が訪ねて来る。主人公はそれまで上座で喋っているのだが、兄貴が家に上がって座った時点で上下(かみしも)が逆になる。理屈から言えば兄貴の方が目上なので上座に座るのは正しい。しかし、客席から見ていると会話している人物の左右が突然入れ替わるので、とても違和感があるのだ。このネタを生で初めて見たのが米團治(当時、小米朝)さん。彼が途中から上下を間違えたのかと僕は勘違いしてしまった。実際、色々なブログで「一文笛」の感想を読むと、「途中で上下が逆転した。おかしい」と指摘している人が多い。雀々さんはこの場面で、人物の配置を替えることなく演じられた。僕にはその方がしっくりきた。

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「桂雀々独演会」の後、徒歩で心斎橋から難波へ移動。途中、「ペリーのいくら丼」に立ち寄り、”うに&いくら丼”に舌鼓を打つ。

そしてワッハ上方へ。桂文三さんの会。

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開場が18時半で僕が到着したのが17時半。その時既に数人並んでいたのだから、よね吉人気恐るべし。他所で適当に時間を潰し、再び会場へ。長蛇の列。常連客が「何、これ!?」「今日はよね吉がゲストだから」「ああ、それで…」と喋っている。約6割が女性客。

文三さんが書かれたプログラムの挨拶文が可笑しかった。

吉朝一門の色男・よね吉くんと、松枝一門の…松五くんに今日は助演いただいてます。

さて、演目は

  • 笑福亭松五/天狗さし
  • 桂文三/稽古屋
  • 桂よね吉/千早ふる
  • 桂文三/内助の富(くまざわあかね 作)

文三さんは、「別によね吉くんを人寄せに呼んだわけではありません」と断り、「男前ですよね。おってくれるだけでええ。もえ~という感じでしょう?」と持ち上げる、持ち上げる。

また、よね吉さんの弟弟子・しん吉さんの落語会に出たことに触れ、「しん吉くんが『兄さん、僕は生まれ変わったら阪急電車になりたいんです』と言うので『アホか』って答えたんです」と(しん吉さんは鉄ちゃん=鉄道ファン)。「『だったら兄さんは生まれ変わったら何になりたいんですか?』と訊かれ、『ウルトラセブン』と答えました」

ウルトラセブンをこよなく愛する文三さんは鞄にウルトラアイを入れて持ち歩いていて、あるお寺の落語会でそれをたまたま住職に見られたそう。するとモロボシ・ダンを演じていた役者さんがその寺の裏で喫茶店を経営されていたということが判明。そこで700円のハヤシライスを食べられたことを熱く語られた(ウルトラセブンだからメニューは全て00円らしい)。このエピソードに場内爆笑となったことは言うまでもない。落語家って本当に愛すべき人たちである。

この会にはネタ帳がなく、よね吉さんは「稽古屋」を演るつもりでこられたとか。急遽「千早ふる」に。知ったかぶりをする男が、百人一首の意味を問われて、イライラと右の指で見台を叩く演出がいい。

内助の富」は5/19京都府立文化芸術会館で開催された上方落語勉強会で「お題の名づけ親はあなたです」として初演されたもの。「高津の富」をベースに、少々「芝浜」のフレーバーをふりかけた印象。女性らしい生活感のある作品だった。文三さん演じる”長屋のおかみさん”が上手かった。

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