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2010年5月 8日 (土)

プレシャス

評価:B+

Precious

黒人(今は《アフリカ系アメリカ人》と呼ばなければいけないらしい)映画に興味はない。それに肥満体の女は好みじゃない。しかし前評判が極めて高い作品なので、重い腰を上げた。

わざわざTOHOシネマズ梅田まで足を運んで良かった。これは傑作。

サンダンス映画祭でグランプリを受賞。アカデミー賞では6部門(作品賞/監督賞/主演女優賞/助演女優賞/編集賞/脚色賞)にノミネートされ、助演女優(モニーク)と脚色賞を受賞。リー・ダニエルズは黒人として2度目の監督賞候補である(初回は「ボーイズ'ン・ザ・フッド」のジョン・シングルトン)。それにしてもこれだけの話題作なのに、大阪府で2館だけの上映とは何たること!

映画公式サイトはこちら

ニューヨーク市、ハーレムに生きる主人公の少女(16歳)の生活環境は苛酷である。映画の前半は観ていて胃がヒリヒリして、居たたまれない。しかし色々な人々との出会いが彼女に希望の光をもたらし、自分の意思で生きる道を次第に見出してゆく。モーレツな母親を演じたモニークが凄い。

ソーシャルワーカー役のマライア・キャリー、看護師役のレニー・クラヴィッツらも好演。それからフリースクールの教諭を演じたポーラ・パットンがなんとも美しく、見惚れた。

リー・ダニエルズの演出は、現実と少女の妄想が渾然一体となった不思議な空間を生み出しており、フェデリコ・フェリーニ(やボブ・フォッシーの「オール・ザット・ジャズ」)を彷彿とさせる、感性豊かな監督だと想った。

女性監督のオスカー受賞は今年実現したので、残る課題は黒人(アフリカ系アメリカ人)監督の受賞だな。

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