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これは画期的!/林家花丸の落語JAZZ

DVDで初めて桂枝雀さんの落語を聴いた時、下記記事のタイトルが瞬時に閃いた。

そして、故・笑福亭松鶴(六代目)も「落語はJAZZや」と言っていたという事実を知った→鶴志さんの証言へ!

落語とJAZZのコラボレーション。ありそうでなかったイヴェントを体験するために、天満天神繁昌亭へ。補助席も一杯の大盛況。全席自由でチケットに記載されている整理番号順での入場。

J2

実はこの公演、僕はチケット発売日の朝10時きっかりにチケットぴあで購入したのだが、なんと整理番号が102番だった(繁昌亭主催公演なら同じやり方で必ず一桁台を購入出来る)。想像するに花丸さんサイドが整理番号の1-100までを事前に押さえていたということなのでは?こういうやり方は些か理不尽(アンフェア)に感じられた。

J1

  • 笑福亭生寿/米揚げ笊
  • 桂三金/奥野君のコンパ(三金 作)
  • 林家花丸/電話の散財
  • 唐口ジャズカルテット/♪ジャズライブ
  • 林家花丸/JAZZ落語・七度狐

三金さんのネタは何度か聴いたことがあるが、半ばに登場するバルーンショーで、手術用ゴム手袋を膨らませてニワトリを擬態するという趣向は今回初体験。益々面白くなった。

電話の散在」は大正時代の作品。途中、ハメモノ(お囃子)がふんだんに盛り込まれ、賑やかで愉しい。

仲入りをはさんでジャズライブ。カルテット(トランペット、ギター、ドラム、ベース)で演奏されたのは下記。

  1. TAKE THE 'A' TRAIN(A列車で行こう)
  2. STARDUST(スターダスト)
  3. BLUE BOSSA(ブルー・ボッサ)

そして待望のJAZZ落語。高座の下手にカルテットが陣取る。花丸さんの出囃子が何とクルト・ワイル/「三文オペラ」より”マック・ザ・ナイフ”!イカしてる。もうこれだけで痺れた。

落語のハメモノの代わりにJAZZが響き、カラスや鳩、山羊の擬音あり。調子に乗った花丸さん、「アルマジロ」「バクが夢を食べる音!」などと言って、唐口一之さんを困らせる一幕も。客席が大いに沸く。話の後半では骸骨がラインダンス(ロケット)を踊り、「彼岸の花咲く頃」を歌うなど宝塚歌劇のパロディも(宝塚のテーマ曲は「すみれの花咲く頃」)。宝塚雪組バウホール公演「雪景色」の監修をされ、すっかり宝塚ファンになった花丸さんの面目躍如である。

いやぁ、斬新でエキサイティングな会だった。客席を立った人々が口々に「今日は本当に面白かったね!」と言い合う光景が印象的だった。

今回、花丸さんは21世紀の落語に新たな地平を拓いたと言っても過言ではないだろう。是非これからもJAZZ落語を続けて下さい。次回も絶対行きます。

ところで花丸さんによるとこの日、桂九雀さんが楽屋に手伝いに来られていたそうだ。趣味でクラリネットを吹く九雀さん、JAZZ落語の成果をその目で確かめに来たという側面もあったのかも?

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コメント

九雀さんは、バイオリンやらハーモニカやら中国琵琶やらマンドリンやら、色々な楽器とやってはりますから、興味津々なんでしょうね。

投稿: おたべ | 2010年5月10日 (月) 19時21分

さすがおたべさん、九雀さんのことなら何でもご存じですね!

そこでお尋ねしたいことがあるのですが、「音也寄席」という名前で始まった落語会が、「岡町落語ランド」という名前に変わったのは九雀さんが世話方をされている時だったと聞きました。それは枝雀師匠からのお達しだったとのことですが、つまり命名されたのは枝雀さんなのでしょうか?それとも九雀さん?もしご存じならご教示頂けると幸いです。

投稿: 雅哉 | 2010年5月11日 (火) 00時12分

九雀ファンとして即答したいところですが、さすがに時代がズレていて知りません。
(;_;)
ネーミングのセンスからして、九雀さんぽいとは思いますが…

投稿: おたべ | 2010年5月11日 (火) 07時36分

おたべさん、早速ご回答下さりありがとうございます。

1. 九雀さんが主催される落語会で、カタカナの入ったものはない。
2. 枝雀さんは「桂枝雀のワンダーランド」というCDを出されたことがある。

ことなどから、もしやと思ったものですから。

投稿: 雅哉 | 2010年5月11日 (火) 12時51分

うーん。
「九雀パファーマンス」
「九雀のラクゴヴェリテ」
「神戸らくごビレッジ」
など
九雀さん命名のカタカナ例がありますから
あなどれません。

投稿: おたべ | 2010年5月11日 (火) 21時48分

チラっと桂九雀さんにお伺いしたら九雀さんの命名だそうですよ。

音也さん(枝雀さんの一番弟子)亡き後「音也寄席」は米朝一門の落語家が数年交代で世話人を勤めていたそうですが、九雀さんが世話人になった時(昭和59年か60年)師匠の枝雀さんから「いつまでも音也寄席でもないから名前を変えなさい」と言う指示があり、九雀さんが新名称を考えたそうです。
九雀さんが世話人の間は「音也寄席No.○○」というのもチラシには入れていたそうですが。

JAZZと落語の類似はよく語られますが、山下洋輔さんはじめ、ジャズメンでも落語ファンの方は多いみたいですね。
たしかに九雀さんは音楽コラボ好きで、テルミンとも共演したことがあるはず。
先日はうちの楽団(セントシンディ)とオペレッタの「メリーウイドウ」までやってくださいました。
これは絶品でした。

投稿: 福島です! | 2010年5月11日 (火) 22時00分

おたべさん、再々のコメントありがとうございます。

「神戸らくごビレッジ」は誰の命名なのかとても興味がありました。九雀さんだったのですね!というのは「雀松・九雀・吉弥の」と頭に銘打たれているので、てっきり兄弟子の雀松さんなのかなと思っておりました。雀松さんは神戸市出身ですし。

落語会の名前ひとつとっても、色々面白いですね。

投稿: 雅哉 | 2010年5月11日 (火) 23時37分

福島さん、情報ありがとうございます!これで謎が解けました。九雀さんにもよろしくお伝え下さい。

地域寄席ひとつひとつに奥深い歴史、沢山の人々の関わりがあるのですね。

シンディ&九雀がコラボした5/4の「昼下がりのオペレッタ」は是非聴きに行きたかったのですが、既にその日は落語会が予定に2つ入っていたので、断念せざるを得ませんでした(「オペラ座の怪人」はやはり建部知弘 編曲版をされたのでしょうか?)

僕は九雀さんが創作された噺劇(しんげき)の大ファンなのですが、今度は繁昌亭でも「メリーウィドウ」とかチェーホフなども聴かせて頂きたいなと想っております。

落語は一応伝統芸能にジャンル分けされていますが、その枠に囚われない自由なことろがとても好きです。

投稿: 雅哉 | 2010年5月11日 (火) 23時57分

そうです、建部版です。
建部版はカフアから出版されました。
ただし今回は、市民オペラからの要望もあり「シンクオブミー」と「ミュージックオブザナイト」を少しだけこちらで追加してみました。
PA入りだったのですが、それでもバランスにはとても苦労しました。
でも歌入りで「オペラ座」が出来て(特にマスカレード)とてもうれしかったです。

もともと翻案が得意な九雀さんですが、今回のメリーウイドウにはほとほと感心してしまいました。
またどこかプロのプロダクションで再演してほしいです。

投稿: 福島です! | 2010年5月12日 (水) 00時27分

そうだと確信していました。建部版「オペラ座の怪人」は史上最強・最高のアレンジですからね!大体僕は「マスカレード(仮面舞踏会)」が入っていない編曲を、絶対に認めません(そのアレンジャーは音楽の価値が全く分かっていないと想います)。

とろこで福島さんは「オペラ座の怪人」の続編"Love Never Dies"を聴かれましたか?まだ多分、タワーレコードなどで試聴出来る筈です。ロイド=ウェバーの近年の体たらくぶりに爆笑しますよ。才能は枯渇することもあるのだという真実を僕は思い知りました。

投稿: 雅哉 | 2010年5月12日 (水) 00時54分

ラブネバーダイズはまだ聴いたことがありません。
四季の会報では微妙なニュアンスで誉めてましたが、ウエッバーと浅利さんは盟友らしいですからけなすわけにもいかないのでしょう(苦笑)。
また機会があれば聴いてみますね。

投稿: 福島です! | 2010年5月12日 (水) 08時03分

今回の福岡撤退劇でも分かる通り、劇団四季は収益を上げること(経営戦略)に対して非常にシビアな目を持っています。何時までたったも大阪がカラオケ上演なのも、恐らくこのためなのではないでしょうか?

四季は「サンセット・ブルーバード」(1993)以降のロイド=ウェバー作品を上演していません。商売にならないからでしょう。僕は正しい判断だと考えます。

しかし「ジーザス・クライスト・スーパースター」や「エビータ」「キャッツ」「オペラ座の怪人」は四季にとって重要なレパートリーです。版権は失いたくない(契約を更新したい)でしょう。ロイド=ウェバーの機嫌を損ねるわけにはいかない。

今回四季が、ロイド=ウェバーのプロデュースによる「サウンド・オブ・ミュージック」という不可解な買い物をしたのは、上記理由ではないかと僕は邪推しています。

正直な気持ちを述べれば、「オペラ座の怪人」の版権が東宝かどこかに移り、大阪でも生オーケストラ付きの上演が実現されれば、こんなに嬉しいことはないのですが。

投稿: 雅哉 | 2010年5月12日 (水) 12時58分

落語jazzを観に行ってたものです。以前から林家花丸さんはうまくて面白い素敵な落語家さんだと思っていて大ファンでした!今回もセンスが抜群でシビれてしまいました。ますます目が離せません。

先日、私より落語ファン歴の長い友人が「色はちがっても吉朝さんの笑いのセンスに匹敵する落語家は花丸さんしかいない」と言っていました。納得です!

感動のあまり急に割り込んでのコメントたいへん失礼しました。

投稿: みぃみ | 2010年5月13日 (木) 23時25分

みぃみさん、いらっしゃいませ!

落語JAZZは正にエポック・メイキングなイベントでしたね。花丸さんは遂に、汲めども尽きぬ泉を掘り当てたと言えるのではないでしょうか?

投稿: 雅哉 | 2010年5月14日 (金) 00時09分

福島さんのおかげで、岡町落語ランドの命名者がわかりスッキリ。
ありがとうございました。

投稿: おたべ | 2010年5月15日 (土) 09時35分

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