桂よね吉、九雀/動楽亭昼席(5/6)
新世界・動楽亭へ。
- 桂 そうば/十徳
- 桂 吉坊/蛇含草
- 桂 九雀/寄合酒
- 桂 米二/口入屋
- 桂よね吉/稽古屋
- 桂 都丸/読書の時間(三枝 作)
5月5日は吉弥さんが出演するということもあって、定員100名を遥かに超える聴衆が詰め掛けたという動楽亭。その翌日は平日ということもあり、入りは45-6人程度。しかしよね吉さんが出演されるので、女性率は軽く5割を超えた。
そうばさんはカラオケでしくじり、ざこば師匠から「お前は破門や!今すぐ(故郷の)九州へ帰れ!往復の新幹線代はワシが出してやるから」と言われたという爆笑エピソードを披露。ちなみにざこばさんは「娘よ」「兄弟船」などカラオケのレパートリーが3曲しかなく、歌うと必ず泣くそうな。
吉坊さんは20代の若手ながら、語り口が上手く、手(指先)の動きがしなやかで美しい。きめ細やかな芸風。つい先月聴いたばかりの(兄弟子)吉弥版「蛇含草」は汗をダラダラ流しながらの暑苦しい高座だったが、吉坊さんは涼やかに。僕は吉坊さんの方が好みだな。
番組表では三つ目によね吉さんの名前が書かれていたが、登場したのは九雀さん!よね吉さんは着物を忘れ、現在家に取りに帰っているそう。だから番組後半に出演予定だった九雀さんと入れ替わることに。「今日彼が出ることになった順番は、仲入り後の《カブリ》という役割と、トリに繋ぐ《モタレ》という役割を兼ね備えなければなりません。トリの噺家がよい芸が出来るように、場を盛り上げなければなりませんし、かといって長く演り過ぎてもいけないという難しい役どころです」とプレッシャーをかける、かける。
「寄合酒」は眼鏡なしの《クラシック型》ではなく、眼鏡を掛けた《JAZZ型》での口演。噺の中に、新しく教会に赴任してきた”パトリックさん”が登場するというユニークな工夫あり。
仲入り後、よね吉さんが高座に上がっただけで客席から笑いがこぼれる。京都在住の彼は朝、電車に乗った瞬間に「しまった!衣装を忘れてきた」ことに気が付いたそうである。しかしこの日はNHKテレビ「ぐるっと関西おひるまえ」の生放送があり、取りに帰っていたのでは番組に穴を開けてしまう……そういう事情だったそう。「今日の放送をご覧になった方は、僕の顔が始終引きつっていた事に気付かれたことでしょう」放送終了後、スタジオ見学に来ていたおばちゃんから「この後、動楽亭にも行くからね!」と声を掛けられたそう。「何と答えたらいいか、途方にくれました」と。
まあこういうハプニングも、ライヴならではの愉しさだろう。
都丸さんは最近、三枝さんのネタを掛け過ぎ。もう飽いた。
帰り際、「九雀月報」を貰う。九雀さんが懇意にしている奈良の吹奏楽団・セントシンディアンサンブルの「超御機嫌音楽会」での出来事を例に、プロとアマの違いについて考察されており、非常に面白い読み物だった。
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