大植英次/大フィルのコープランド
ザ・シンフォニーホールへ。
大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴く。

今シーズンの大フィル定期は「これは名曲コンサートか!?」というような初心者向き、ありきたりなプログラム編成で大いに失望した(詳細は→こちら)。まあ、大阪センチュリー交響楽団の命運が風前の灯であり、補助金をカットされた大フィルの苦しい台所事情は理解できる(集客力を考えることも勿論、重要である)。しかしこのようなプログラムで、真のクラシック音楽ファンが本当について来てくれるのか?大植・音楽監督には是非その辺を真剣に考えて頂き、児玉宏/大阪交響楽団の意欲的な攻勢を見習って欲しいものである。そうそう、武満徹を積極的に取り上げる予定の佐渡裕/PAC(兵庫芸文)オケも偉い!定期演奏会とは本来、オーケストラと定期会員との真剣勝負の場である筈だ。
まあそんな中で今回は珍しいコープランドが入っている分、些かましな内容だった。
- ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
- コープランド/交響曲 第3番
ピアノ独奏はスイス出身のアンドレアス・ヘフリガー。
この人は達者なテクニックを持ち、力みなく自然体の弾き方でとても良かった。
大植/大フィルも好サポート。レガート気味の滑らかな演奏で、生き生きとして馥郁たるベートーヴェン像を描いた。
後半のコープランドは近代アメリカを代表する作曲家であり、このシンフォニーを聴いているとどうしても雄大な西部開拓史のイメージが目の前に広がってゆく。それは結局、ハリウッド製西部劇の音楽がコープランドを起源としているためであろう。エルマー・バーンスタインの「荒野の七人」や「アラバマ物語」、ジェローム・モロスの「大いなる西部」、そしてジョン・ウィリアムズの「11人のカウボーイ」「華麗なる週末」、そして「7月4日に生まれて」も明らかにコープランドの影響を受けている。またレナード・バーンスタインの「波止場」にもコープランドの片鱗が聴かれる。
大植さんは長らくアメリカのオーケストラの音楽監督を務めていただけに、さすがコープランドは自家薬籠中の物。都会的で洗練されたオーケストレーションを鮮やかな手綱捌きで乗りこなし、歌うところでは豊かに歌い、締めるところではビシッと決める。
ただ、大フィル金管楽器奏者たちがその足を引っ張っていた感は否めなかった。特にトランペットとホルンは音を外しまくり。ホルンのピッチも怪しい(いつものことだが)。実に情けない。このセクションの補強がこれからの大きな課題だろう。
最後に、大植さんの指揮で今後僕が聴きたい曲を列挙しておく。
- コープランド/バレエ音楽「アパラチアの春」、「ロデオ」
- ハワード・ハンソン/交響曲 第2番「ロマンティック」
- エーリッヒ・W・コルンゴルト/交響曲、ヴァイオリン協奏曲
- ツェムリンスキー/抒情交響曲、交響詩「人魚姫」
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