雀々の春の噺を聴こうの会
動物園前の”秘密倶楽部”こと、動楽亭へ。桂雀々さんの会。定員100名、予約だけでぎゅうぎゅうの満席。
- 優々/普請ほめ
- 雀々/愛宕山
- 雀々/花ねじ(隣の桜)
一番弟子の優々(ゆうゆう)さんが開口一番で、二番弟子の鈴々(りんりん)さんがお茶子。後者は若い女性である。最後まで女性の弟子を取らなかった枝雀一門に紅一点。
優々さんは初高座直後から何回か聴いているが、度胸がついて随分と上手くなった。前座ネタで結構、客席から笑いが起こっていたのだから大したものだ。抑揚があって弾むようなリズム感が心地よい。
事前のネタ出し(演目発表)はなかった。雀々さん最初の出囃子は「昼まま」。これを聴いた瞬間、掛けるネタが分かった。師匠・枝雀さんの十八番(おはこ)だった「愛宕山」。そういえば、今日19日は枝雀さんの命日である。
マクラは「米朝一門と行くハワイ旅行」や、台湾から京都への観光客相手にバス・ガイドした時のエピソードを。雀々さんが乗客を笑わせようと苦心惨憺する情景が、「愛宕山」に登場する幇間(太鼓持ち/男芸者)へと見事に繋がる。
山登りの場面では雀々さんが”必死のパッチ”で山と格闘する様子が圧巻。やはり枝雀さんの姿を彷彿とさせた(枝雀さんが「愛宕山」の高座から降りる時は、毎回ハーハー息を切らしながら全身汗だくだったという)。「師匠は《見せる落語》を創造しました」と雀々さん。
中入り後、2年間の内弟子修行中の失敗談、枝雀さんに怒られた内容などで会場を爆笑の渦に巻き込み、丁稚が活躍する噺「花ねじ」へ。マクラと本編の結びつけの巧さが光る。
むちゃくちゃ満足度の高い会であった。雀々さん、最高!
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