« 午前十時の映画祭/「フォロー・ミー」 | トップページ | PAC POPS!/パック・ポップス 2010 »

2010年4月25日 (日)

今年は快晴!大植英次/大フィルの「星空コンサート 2010」

大阪城西の丸庭園へ。

H01

大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団の「星空コンサート」は今年で5回目。僕は皆勤である。去年は雨で凍えた。

Hosi

開演午後6時半、今年は快晴。でも気温は低く、やはり寒かった。

曲目は、

  • グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
  • J.シュトラウスII世/ワルツ「ウィーンの森の物語」
  • ボロディン/歌劇「イーゴリ公」より”ダッタン人の踊り”
  • サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
  • 平尾昌晃/必殺仕事人
  • J.ウィリアムズ/映画「ジュラシック・パーク」テーマ
  • ホルスト/組曲「惑星」より"火星”
  • チャイコフスキー/序曲「1812年」
    (以下、アンコール)
  • ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
  • 夕やけこやけ〜七つの子〜ふるさと
  • 外山雄三/「管弦楽のためのラプソディ」より”八木節”

H03

4/21(水)アイスランドの火山噴火の影響で国際線の欠航が相次ぎ、関西空港に足止めされている人たちのために、コンサートマスターの長原幸太さんや佐久間聡一さんらが弦楽四重奏の編成でモーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジークなど数曲を関空の国際線フロアで演奏し、大変喜ばれたそうである。勿論ボランティア。何とも粋な趣向である。

大植さんによると、昨年のJ.シュトラウス/ワルツ「春の声」では「踊れない!」との声があがったそうで、今年は一定のゆったりとしたテンポで。でも、僕は踊れなくてもテンポが変幻自在のワルツの方が好きだな。

ツィゴイネルワイゼン」のヴァイオリン独奏は大阪府河内長野市在住の芝内もゆるさん、12歳。オーケストラとの共演は今回初めてとのこと。厚みのある豊かな音を奏で、見事だった。大植さんは暗譜で、9割方彼女が弾くのをじっと見ながらの指揮。ピタリと寄り添う伴奏はいつもながら上手い。

必殺仕事人」は先日、大阪府吹田市で亡くなった藤田まことさんの追悼で。大植さんは鬘を被り、時代劇の扮装で指揮。

大植さんはJ.ウィリアムズが大好きで、今までも「スター・ウォーズ」「スーパーマン」「E.T.」「ハリー・ポッター」などを取り上げてこられた。

ジュラシック・パーク」といえば、僕はこの曲をジョン・ウィリアムズ/ボストン・ポップス・オーケストラの生演奏で聴いた時のことを想い出す。当時僕は岡山に住んでいて、わざわざ大阪・フェスティバルホールまで来日公演を聴きに来たのである。1993年6月19日のことであった。「ジュラシック・パーク」が日本で公開されたのはその年の7月17日。つまり映画公開前に音楽に触れるという貴重な体験をしたのだった。

その時僕は高校吹奏楽部の親友・山本君と一緒だった。演奏会では「E.T.」〜”地上の冒険”も演奏され、その後で彼が僕の肩を叩いてそっと囁いた。「隣に座っている女の子が、音楽を聴きながら感極まって泣いていた」と。それを聞いて、音楽の持つ力の大きさに感嘆したことを今でも鮮明に憶えている。

H04

ホルストの「火星」はきりりと引き締まった演奏だった。

1812年」では大阪府立淀川工科高等学校(淀工)、近畿大学、箕面自由学園高等学校、明浄学院高等学校の吹奏楽部がバンダ(金管別働隊)として共演。その指揮は淀工の丸谷明夫先生(丸ちゃん)が担当。大植さんは丸ちゃんのことを「先生は日本の国宝、音楽の世界遺産です!」と絶賛。まこと、愛すべき人である。

ウィリアム・テル」序曲では大植さんが客席にいた平松・大阪市長を引っ張り上げ、市長が指揮。これは大植さんの恩師レナード・バーンスタインが米CBSで放送された「ヤング・ピープルズ・コンサート」でも取り上げた曲。僕はビデオで観たことがあるが、レニーが演奏した後で客席の子供達に「この曲を知ってるかい?」と尋ねると、一斉に「ローン・レンジャー」!という答えが返ってきたのが印象的だった。ちなみに「インディアン嘘つかない」という有名な台詞も、このテレビ西部劇(白黒)が由来だそうである。

 関連記事:

| |

« 午前十時の映画祭/「フォロー・ミー」 | トップページ | PAC POPS!/パック・ポップス 2010 »

クラシックの悦楽」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。今年は晴れたのですね。
大阪城の美しい姿に後ろ髪を引かれつつ、先週末は
某バリトン歌手を追いかけて東京・初台に行って
おりました。舞台デザインや演出には賛否両論
でしたが、なかなか面白く仕上がってましたよー。

ここからしばらくは舞台もコンサートも予定ナシ。
6月に神尾真由子さんを聴くのが楽しみです。
その後、また東京まで池辺氏の新作『鹿鳴館』を
観に行く予定。オペラにハマるとお金がかかって
仕方がないです…(苦笑)

投稿: Odette | 2010年4月30日 (金) 01時50分

Odetteさん、コメントありがとうございます。

バレエで一流どころ(マリインスキー、ロイヤル・バレエ、ABTなど)を観るにはチケット代が2万円くらい掛かりますが、オペラになるとそれ以上が当たり前ですから大変です。それでも決して採算は取れないのですから(国の補助金が必要)、やはりオペラは本来、ヨーロッパ貴族のための娯楽であって、庶民の手が届くものではないのでしょう。

そういう意味では映画館でやっているMETライブビューイングは良い企画だと想います。

投稿: 雅哉 | 2010年4月30日 (金) 07時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今年は快晴!大植英次/大フィルの「星空コンサート 2010」:

« 午前十時の映画祭/「フォロー・ミー」 | トップページ | PAC POPS!/パック・ポップス 2010 »