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映画「パレード」

評価:B

なんばパークスシネマで鑑賞。

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ベルリン国際映画祭において国際批評家連盟賞を受賞。公式サイトはこちら

原作は第15回山本周五郎賞を受賞した吉田修一の小説。脚本・監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」や、キネマ旬報ベストワンに輝いた「GO」の行定勲。

藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、小出恵介、林遣都らがそれぞれ良い持ち味を出し、その演技が織り成す綾がお見事。全米映画俳優組合賞(Screen Actors Guild Awards)には「アンサンブル演技賞」というカテゴリーがあるが(今回は「イングロリアス・バスターズ」が受賞)、もし日本にあれば、是非彼らにあげたい。

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青春群像という意味では、同じ行定監督の「きょうのできごと」(妻夫木聡、田中麗奈 主演)の系譜に連なる作品と言えるかも知れない。

都内のマンションで共同生活を送る若者たちの日々をカメラが冷徹な眼差しで見つめながら、現代人が持つ心の闇、不安・焦燥感を描く。そしてそのもろもろの感情が映画冒頭のヘリコプターが羽ばたく音、あるいはどこからともなく聴こえてくる工事現場の音などに象徴される。

universe(ひとつの宇宙)ではなくmultiverse(多元宇宙)。一緒に住んでいても、他人の心は計り知れない。その不可解さ、不気味さが本作の核心部分である。

アカデミー作品賞を受賞したミュージカル映画「シカゴ」(ロブ・マーシャル監督)は大変な傑作だと僕は想う。しかし世の中には、この映画の倫理観を絶対に認められないという人々が少なからずいる。彼らの意見を色々と聞いてみると、「犯罪者が罰せられない結末が許せない」ということに集約出来るだろう。つまり勧善懲悪の物語になっていないことが問題だというのだ。

そういう《健全な精神を持つ》方々にとって、この「パレード」は無縁の存在であり、観たら不快になるだけであろう。連続暴行犯は捕まらないし、もやもやとした不安定な終わり方をする。実にamoral=反道徳的な映画である。しかし、そこがこの作品最大の魅力なのである。

全ての心が病んだ人々に、自信を持ってお勧めする。

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